最大のパートナー
諸外国との軍事演習は、日本にとっては貴重な経験が出来る唯一の場所である。さしあたって海外の国と戦争になる危険性が無いため(専守防衛だから)、日本においては、自衛隊が出動しなければならない事案は起こりにくい。スクランブルなど、偶発的な軍事衝突はあっても、精強な部隊を維持する為にはそれでは不充分である。
また、国内においての訓練にも限界がある。戦争や、混乱を望んでいるという訳ではない。精強な部隊を維持する為には、諸外国とも演習をやる必要があると、言いたいのだ。
特に日本にとっての最大のパートナーであり、世界最強クラスの軍事力を持っているアメリカとの軍事演習は、自衛隊と米軍の連携を高めるだけではなく、細かな部隊も学ぶ事が多く、オブザーバーとして参加している部隊との連携が高まる事になる。
勿論、リムパックの目的は同盟国との連携力を高める為だけに行われる訳ではない。主催する米軍の部隊が、スムーズに兵器を運用出来るかというテストも兼ねている。
リムパックを催す理由はいくつかあるが、わざわざ多数の国をオブザーバーとして呼び寄せ、自国の戦力を一点に集めるのは、それなりに意味のある事なのかもしれない。
日米同盟は、日本の国防政策の要であるが、これが有効に作用する為には、日米の部隊レベルでもきちんと役割分担をしなければならない。リムパックは、それを確認する有効な手段の1つである。
世界情勢は、未だに混沌としている。そんな世界情勢にあって、日本とアメリカが同盟の下に果たす役割というのは大きい。世界の平和と安定の為に、二つの大国が果たすべき役割は、小さくないだろう。只の軍事演習とは言え、そう思うと力も入るだろう。