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 起きて直ぐに知らない天井を見たときの違和感って、(いま)だになれない。

 しかも、和風ではない、ホテルでもない、自室ではない天井を見て、ほんと、何がどうなっているのかわからず、「ここはどこ?! 私は誰?!」と(わめ)きそうだった。

 

 挙動不審になった私に、女の子が「陛下、ここは私の私室ですわ。」と言った。


 私はシーツをまとった彼女を見て唖然(あぜん)とし、自分の身体を見た。

 どわー! 何だ?! 真っ裸だよ?!

 これ、おかしいでしょ?!



 私は王太子になる前から、毒にも耐性をつけ、成人してからも酒はたしなむ程度にしていた。

 侍従(じじゅう)達も私の味方でいるようきっちり教育できていたし、敵らしい敵は排除もしくは遠ざける方向で動いていたので、私を(おとしい)れる者はいないはずなのだ。


 にもかかわらず、私には記憶がない。

 私は真っ裸。

 彼女も真っ裸?!



 「陛下、覚えておりませんの? 昨夜、お酒を(たしな)むよう私に勧められ、ご自身も召し上がった後、私の手をとって寝台に向かわれて、それから、、」


 彼女は私から顔を背けて、自分の身体を両腕で抱きしめる。

 

 なによ?! なにがあったというのよ?!


 「私の口からは、これ以上申し上げることはできません。」


 そう言って、彼女はシーツを身体にまとって、寝台の端に寄る。

 ベッドには、わずかな血がついている、、、血、ち!


 ど、ど、どういうこと?!

 私、やっちゃったの?!


 

 彼女は昨日王宮に入った側妃だ。

 嫌だったけれど、同盟関係を結んだために、側妃を迎え入れた。

 つまり、私が手を出しても問題ない女性だ。

 問題ないけれど、ありえないのだ。


 だって私は、王妃以外、男の機能が役立たないのだから。




 私はわたわたと慌てた後で、はた、と気づいた。

 ベッドのシーツについている血をじっと見て、首を傾げる。


 これ、人間の血?


 私は前世、29歳の女だった。

 毎月、月のものがあるので、血は見慣れている。

 嫌なことに、臭いも慣れてしまっている。


 私はベッドのシーツに着いた血に顔をぐっと近づける。


 私の中の女の本能が、「これは違う!」と叫んでる!

 これは何かの陰謀だ!


 私の頭の中に、一人の女性が浮かんでくる。

 

 



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