戦の王女 共通①
「こんにちは」
魔法学園プリマジェール。私は入学初日、友人を作ろうと歩み寄る。
「あ、どうも……」
「あの人マージルクス星の王女さまなんだって」
「えーあの星……でも良い生活を送ってそうね」
「ま、私たち庶民上がりには関係ないわね」
彼女達は誤解している。たしかに私は王女だが、優雅な生活はおくれていないのだ。
マージルクス星は民から税金を取らない代わりに金銭補助がない完全個人主義。
つまり王もその子も男も女も自分の取り分は戦で獲て稼ぐ。
「はあ、プルテノ人って可哀想」
「可哀想だと思うのであれば狩るのを止めるしかありませんね」
―――そう言われると、私達は死ぬしかないのだから困る。
他の星民だって動物を食べるのだから同じだ。代々私たちが狩って捌いたりしているのに、プライドから動物保護とかプルテノ保護とかをする経済インフレ中のウィラネスや大昔から争うマキュス星の奴等は腹がたつ。
さすがに先祖が焼き付くした植物の星グリテア星には申し訳ない気持ちはあるけど。
■ある従者の独白
主に金銭そのものを作り出す身体を持つプルテノ星人が星から出た際に狩る。
特に男型は質量が高いのでたくさん狩れば儲けられる。
病、怪我は医療費を己で払わねばシルベリア送りは免れない。
初めは戦ばかりしなくてもマージルクス人がプルテノ人と偽装結婚して監禁しながら換金すればいいと思われていたが、彼らは金属を食物とするのでコストが高い。
それに人間的な繁殖もしないので我々のように機械で増やせない。
その上、法律を司るシホウ星からの目、そこと敵対する監獄のプリンズ星に板挟みにされて今に至る。
つまりシホウ星の決めたプルテノ人が星を出たらチガイホウケンはないがプリンズ星のパトロールに見つかっても我々シホウ星の弁護士は知らんよ。
というあやふやなルールだ。
人権どうのと内部でも審議されているが所詮は塗装された金製の象。
人のカタチをしていても、ゲームでいうスライムやら金の成る戦利品で正直なんの罪悪感もない。