守銭奴の教祖 共通①
太陽に建つとある教団、信者達が教団長の言葉を待つ。
「我等が教祖レレイユ様が参られた!」
「御言葉を!」
「我等をお導きください!!」
口々に教徒達が懇願し始める。
「祈るのです。さすれば神は救いをくださる」
「はい、教祖様!」
■
私達が信仰するのは、惑星太陽をみかぎった神に代わり、この星を守るルマチャ神。一応は捏造ではなくこの世界に実在するらしい。
神の伝承を調べたり、他の宗教団体を探して信仰されていなかった。
ただしぶっちゃけ私は神全般の存在を信じていない。
魔法があるのだから、無い事もないだろうがこの目で見たことがないから暫定的に存在を認めようにないのである。
それに貴族令嬢だったが家出して、楽な金儲けの方法を考えた結果がこの新興宗教だったというだけだし。
「お疲れさまです。レレイユ様」
私が信者達への詞を終えると、カルケセド=プロミネンスが労いの言葉をかけた。
「いつもありがとうカルケセド」
「いいえ、勿体なき御言葉」
彼は側近であり、私が令嬢だったときから傍で世話をしてくれている。
「おーい教祖サマァ~ゴハンだぜー」
飯炊き係りのシーク=ディベロッパーがテーブルに食事をおいた。
「このオーガニックな匂い。今日は土竜の肉なのね」
「ああ、依頼したらユベリスってヤツが狩ってきた」
彼の友人のユベリスという男はマージルクス人で魔法学園に通っているらしい。
「そういえばライバル教祖カムカ・イーエンが魔法学園に宗派を広めようとしているそうです」
「あーダチのレアンとラウルがよく胃痛を訴えてるがそれか……」
イーエン教というのは激戦区で私のルマチャ教といい勝負をする教団だ。
実を言うと奴等の教派は私のように金儲けではなく親から受け継がれるタイプで由緒正しいやつである。
しかしイーエン教の信仰者は一日一回胃炎を訴えるだけのダサイものなので、私のほうがやはりそれっぽい宗教だ。
「魔法学園ね……これからもっと教団員を増やしてもっと大きくしなくちゃ!」