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砂糖が甘くない 共通①


――ここはマッフィーアが上半球を統治することで田舎農家を守る惑星ドルゼイ・サタナス・イーナカ。

下半球には主に砂糖を生産することを生業とした農耕王国アルヘイがある。

私はそこから魔法学園へ通っている。なぜなら妖精と人の混血に生まれ、魔法の才能に恵まれてしまったからだ。


田舎でのびのび普通に暮らす事はできない。なので私は数ある魔法の中でも、医療に関することを選んだ。

もちろん医者や看護師などは病院のあるチイユ星の生まれの人に任せて薬学について学ぶ。


民は砂糖を作り輸出するだけでなく自分達でも消費するので贅沢病になってしまうからだ。

いくらでも好きなものが食べられるのでは砂糖戦が起きるので自制させる薬を作りたい。


というわけで私は将来テラネス星にある製薬会社で薬について学んだら薬屋をやりたいと思っている。

その為には金がいるので大金持ちの旦那がほしい。


授業が終わり、昼休みになった。


「おい、シューガレナ=ファラカラン」


なにをしようか考えていたところ、後ろから名前を呼ばれる。


「スティビュー・カンミィ。私になにか?」


私と同じアルヘイ国の子爵家の長男で、弟に爵位をとられた事で有名だが会社経営で金を持っている。


「もっとへりくだった態度にしてもらいたいが、まあいいさ。学園のルールだからね」


学園内において生徒同士は身分なく平等と定められている為だ。

だが魔法の実力に基づき毎月テストがあり順位が巨大電子パネルへ張り出される。

そのあたりで揶揄される生徒もいるが競争心の為だろう。


「近々国王が陛下が退位するらしい」

「ええっと……どうもありがとう」


代替わりなどあまり大きな問題ではないと思う。王が死んでからなら衝撃はあるが、雰囲気からそんな感じはしない。


「まて、話はそれだけではない。陛下には子がいないんだ」

「え?」


つまり王位継承者は先代王の血を引く陛下の兄弟が治める公爵家から出るってことかしら。


「あまり驚いていないようだな。まあ平民は王家について知らんのも仕方がないか」

「ごめんなさい」


まったくもってその通りである。平民は相手が偉い金持ちかしか考えていないものだ。


「王の父である先代ネオテューム一世は二世がその座につく前、二世以外の男児を皆殺しにした」


私は平民なので、そんな話は初耳だ。


「まあ1000年も昔からどこの王家にもよくあることだろう」

「では継承者はどうなるの?」


私が尋ねると彼はニヤリ、と口の端を上げる。


「アルヘイに住み着いた魔王を倒したものが次代王らしい」

「魔王……?」


アルヘイに魔王なんていたかしら。特に村を焼かれたりという話も聞かないし平和だと思う。


「……サッグリンといえばわかるか?」

「ああ、あのインチキ薬師の!」


会った事はないが、自称薬師でよく純粋な人を騙す不届き者だ。


「その奴がとうとう本性を現し、一夜にして巨大な城を造りアルヘイ、引いては宇宙全土を滅ぼすつもりだという」


世界を滅ぼすのはどこの魔王も言って、結局は倒されて成しえない事だ。

きっと誰かが倒してくれることだろう。


「貴族も平民も王になりたいものは五万といる。アルヘイ人の半数が魔王討伐へ向かう始末だ」


―――貴族というか金持ちも討伐へ行くなら私も参戦するしかないじゃない!!

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