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時の扉  作者: 黒糖パン
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始まりの事件

過去改変。未来改変。バトル。萌え。変態。ロリコン。様々な要素が含まれています。

  *


 頭が痛い。少し寝過ぎたか?

 目元に深い隈を浮かべる男――浅賀(あさが)京示(きょうじ)は、冬だというのに半袖のアロハシャツを着て、赤煉瓦造りの通りを歩いていた。何も、寒いという感覚がないというわけではない。ただ、腕に刻まれている龍の模様を見せびらかしたいだけだ。龍を見せびらかせば、周りの人間は怯えて、自分の周りに半径数メートルの空間を作ってくれる。それによって、自分が人間の頂点に立っているような、そんな心地の良い感覚になるのだ。

 ――だが、今の京示は、快感を覚えても腹の虫が治まらないほどにいらだっていた。

 理由なんてない。ただ、なんとなくいらだつのだ。それに、さっきから、自分より下等な存在のはずの人間たちが、どこか幸せそうに見える。

 ――うぜえ

 殺したいほどにいらつきながら、京示は町をふらつく。

 かろうじて京示の人間性を保たせているのは、周りの人間から向けられる怯えた視線に対する快感だけだった。

 子供連れの夫婦が京示に向かって歩いてくる。

「舞香に似合うピアス見つかるかな?」

 長い黒髪の美しい女性は、少しれしそうに頬を緩める。

「うーん。……今日は見つかるといいですけどね」

 好青年という言葉がぴったり似合うその男性は、それより、と言葉を続ける。

「最近、舞香ちゃんと口聞いてないらしいじゃないですか。お母さんから聞きましたよ。……何かあったんですか?」

 その男性は、心配そうな表情を見せる。

「うん。……まあ、舞香も年頃だしねえ。舞香の中でいろいろあるんじゃない?」

「そうですか。……まっ、帰ったら、プレゼント渡して、しっかり話ししてはどうですか?」

「うん。そうする!」

 二人の真ん中で両方と手を繋いでいる小さな少年は、二人が話す度に話している人の方向に顔を向ける――と、忙しそうにしていた。

 だが、そんな光景も今の京示にとっては、不快でしかなかった。

 ――どうせ、こいつらも俺を見てびびるだろう。

 高貴な存在の自分に気付いて、勝手に道を作ってくれるだろうとそう確信していた。今までがそうだったからだ。

 ――だけど、その確信がいけなかった。

「今日もわざわざおばちゃんのために予定空けてくれてあり――」

 女性の言葉が途中で途切れる。

 京示と男性の肩がぶつかったのだ。

「いってえなあ!」

 京示が怒鳴ると男性は深くお辞儀をして謝る。女性も、男性と同様に謝っていた。

 しかし、そんなことで京示の腹の虫は治まらなかった。

 自分が通っているのにどかなかったこいつらに腹が立っていた。

 ――何様のつもりだ?

 京示のいらつきに追い打ちをかけるかのように、少年が泣き出し、その声が耳に響く。

 うざい。うざい。うざい。うざい。殺したい。殺したい。

 ――殺す。

 京示はお辞儀をしていた男性の顔を蹴りあげ、宙を浮いて地面に叩き付けられたところで顔面を踏み潰す。世間では、「かっこいい」と呼ばれるであろう顔が変形し、血が滲み出る。さらにもう一発顔を踏みつけると、男性はぴくりとも動かなくなった。意外に脆い。だが、動かなくなったのにもかかわらず、京示は懐からナイフを取り出し、首の動脈を切りつける。血が噴き出し、京示に降りかかる。心地よかった。

 女性のほうに目を向ける。悲鳴を上げることもできず、ただただ怯えていた。少年も女性の足にしがみつき、怯えている。女性のほうは、拉致って犯してからゆっくりと殺してやりたいところだったが、周りに人が集まり、どうやらそんな時間はなさそうだ。

 格闘技で鍛えた足で少年を蹴り飛ばし、女性の腹部にナイフを何度も突き刺す。

 口から吐き出される血がなんとも言えない心地よさを京示に味わわせていた。

 京示は、少年が店の壁にぶつかってぐったりしていることを確認する。

 逃げる途中、何人か通行人を刺し殺し、快感を味わった。このまま、もっとこの快感を味わいたい。そう思った。

だが、京示の目論見もそううまくはいかなかった。組からのきつい叱りを受けたのだ。もうこの島に滞在することはできず、京示はついに海外で謹慎することとなった。


こんにちわ。こんばんわ。黒糖パンといいます。よろしくお願いします。

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