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夜の帳にほふられ、骸とさせられたあなたに追悼を
いつも温かく私を包んでくれるのが当たり前だと思っていた。
「ごめんなさい」
冷たくなった骸を、私は渾身の力で抱き上げる時にそう囁いた。
「だからお願い。もう少しだけ」
はたりと落ちた私の涙が、あなたをより一層湿らせた。
もうあなたに包んではもらえない。こんなに薄く冷たくやつれたあなたじゃあ。
「……もうダメね」
夜の帳が降りた空を睨んで私は呟いた。
「日没が早過ぎるのよ」
冷え切った布団はもう使い物にならなかった。