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遠いかもしれない約束
私が彼の災厄を認識してから一年になろうとしている。
「お母さん、誕生日おめでとう。元気でやっている?」
「なんとかね」
そう言った母は、力ない口調で寂しさや不安を口にした。
「来年の誕生日は、そっちの温泉で誕生祝をしよう」
敢えて災厄には触れない。
「いいね、それまで私が生きていたらね」
「約束だよ」
「うん……約束」
その声は、少しだけ上ずっていた。
遠いいつかでもいい。
どうか、私に母との約束を果たさせてください。
私が彼の災厄を認識してから一年になろうとしている。
「お母さん、誕生日おめでとう。元気でやっている?」
「なんとかね」
そう言った母は、力ない口調で寂しさや不安を口にした。
「来年の誕生日は、そっちの温泉で誕生祝をしよう」
敢えて災厄には触れない。
「いいね、それまで私が生きていたらね」
「約束だよ」
「うん……約束」
その声は、少しだけ上ずっていた。
遠いいつかでもいい。
どうか、私に母との約束を果たさせてください。
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