30/31
老い支度
母から手紙が届いた。
『怪我をしたが、弟が駆けつけてくれて世話になったので、礼の電話を入れてほしい』
『近くに人がいるからこっちは大丈夫。自分の家族を大事に』
『老い支度しなきゃ』
『次に会うときは私の葬式の時だわ。笑』
『葬式代や土地の処分費を振り込むから』
それを読んだら手が勝手にスマホへ伸びていた。
「老い支度なんてまだ早い!」
「誰だっていつ感染してもおかしくない」
母娘で電話越しに泣きながら疫病を呪った。
母から手紙が届いた。
『怪我をしたが、弟が駆けつけてくれて世話になったので、礼の電話を入れてほしい』
『近くに人がいるからこっちは大丈夫。自分の家族を大事に』
『老い支度しなきゃ』
『次に会うときは私の葬式の時だわ。笑』
『葬式代や土地の処分費を振り込むから』
それを読んだら手が勝手にスマホへ伸びていた。
「老い支度なんてまだ早い!」
「誰だっていつ感染してもおかしくない」
母娘で電話越しに泣きながら疫病を呪った。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。