前へ目次 次へ 28/31 死を前にしたとき ある者は「果たせなかった約束を今度こそ」と泣きながら、だが死に逝く者の前では笑顔を湛えて約束を果たそうとしている。 ある者は「今まで散々な思いをさせられた」と積年の恨みを死に逝く者へぶつけている。 ある者は「比較されるからそこまでしないで」と死に逝く者の最期の迎え方よりも保身を優先する。 私は……。 日常という演出に感謝を添えて、死に逝く人の心を穏やかすることに努めながら、その人と共にそのときを迎えたい。