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手紙
孫の服代くらい出させてくれと遠方に住む母から電話があった。
届いた手紙を開いてみれば、中には紙幣が二枚。確か
「夏目三枚送るから」
と言っていたはずなのに。
心の中で零しながら、添えられた手紙を読んだ。
自分のことに精一杯で、娘時代の貴女に何もしてやれませんでした。
孫にはまだほかにも差し伸べる手があるけれど、貴女に差し出す手はこのひとつ。
自分の服も買いなさい。
紙幣を取り出してみれば、諭吉が二枚に化けていた。
孫の服代くらい出させてくれと遠方に住む母から電話があった。
届いた手紙を開いてみれば、中には紙幣が二枚。確か
「夏目三枚送るから」
と言っていたはずなのに。
心の中で零しながら、添えられた手紙を読んだ。
自分のことに精一杯で、娘時代の貴女に何もしてやれませんでした。
孫にはまだほかにも差し伸べる手があるけれど、貴女に差し出す手はこのひとつ。
自分の服も買いなさい。
紙幣を取り出してみれば、諭吉が二枚に化けていた。
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