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妥協

 昨夜、彼と喧嘩した。仏頂面なんて珍しいから「どうしたの?」と聞いただけなのに。

「うるさい」

 負けず嫌いな私と彼。当然の修羅場を繰り広げ、別々のベッドとソファに横たわる。


 そして今朝。


「ごめん。話せば余計に腹が立つと思ったから、訊いて欲しくなかったんだ」


 キッチンに置かれたそれを見て、そしてソファでまだ寝ている彼を見る。

「……ま、いっか」

 結局口の端を上げてしまう私は、今日も彼のための朝ごはんを作り始めた。

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