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転んでも、ただでは起きない

 姑が高い位置にあるエアコンのプラグを抜こうと奮闘していた。

「言ってくれれば私がやるのに」

 そう言ったら姑が済まなそうに言った。

「あんたはいつもこんな大変なことを日頃からしとったんやね」

 こんな時ばかり偽善をしている自分が情けなくて言えなかった、と。

「若い私にこの程度がしんどい訳ないでしょ」

 わざと笑い飛ばして言うと姑もつられて笑ってくれた。

 私達は転んでもただでは起きない強い心を持っている。そう信じたい。

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