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私の為に、ココアを淹れる

 ミルクパンでゆっくりとミルクを温める。膜が張らないように気をつけて。

 ほどよく温まったら、ヴァン・ホーテンを三匙。

 ほんの少し砂糖を入れて、そして生クリームを可愛らしく絞り入れる。

「たっだいまーっ、さっぶ~、あっ、ココアの匂いっ」

 その声で咄嗟に玄関へ向かい掛けた足を踏みとどまらせ、急いでガスコンロをオフにする。

「お帰りなさい。おあがり」

「えへぇ、ありがとう」

 その笑顔見たさに、今日も私はココアを淹れる。

 

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