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啼き声
黄昏時の声がいつの間にか変わっている
帰路の脇を覗けば蝉の骸が増えている
暑苦しいと嘆いたその声も
気づけば随分、少ない
変わって涼やかに鼓膜を揺するは
ひぐらしの寂しげな声
ほかの子らと同じ時期に啼くはずなのに
この子だけが、寂しげに啼く
慎ましやかに寂しげに、黄昏時を選んで啼く
いつもこの時期に気づくのだ
ひぐらしの所為じゃない
「今年も帰り損ねたな」
呟けばまた彼らが啼く
お盆のたびに悔やむ自分が相変わらず今年もいた
黄昏時の声がいつの間にか変わっている
帰路の脇を覗けば蝉の骸が増えている
暑苦しいと嘆いたその声も
気づけば随分、少ない
変わって涼やかに鼓膜を揺するは
ひぐらしの寂しげな声
ほかの子らと同じ時期に啼くはずなのに
この子だけが、寂しげに啼く
慎ましやかに寂しげに、黄昏時を選んで啼く
いつもこの時期に気づくのだ
ひぐらしの所為じゃない
「今年も帰り損ねたな」
呟けばまた彼らが啼く
お盆のたびに悔やむ自分が相変わらず今年もいた
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