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それから間もなく、国に戻ったセドリックは政務をヴァンスに落しつけ、アイスロック病の研究に当たった。
国が出資する研究機関が作られ、セドリックの元には同じ志を持った医師や研究者たちも次第に集まりだした。
最初は無謀だと思った挑戦も、メリッサの助言もあって国の政策としてアイスロック病にかかった妊婦たちを保護する政策が出来てからは、一気に研究も進んだ。妊婦たちの治療を無償で行い、その代わりとして治療薬の研究に協力してもらったのだ。
セドリックはあの女神が言うように薬となる身近なものを探り、食材から薬草1つ1つまで順番に試していった。妊婦や赤子の害にならないもので、アイスロック病の治療に関わる薬となるものは一体、何なのか?
「ウィル、この資料をまとめといてくれ」
「わかりました。あ、セドリック様、お時間があったら、このデータを確認していただきたくて…」
セドリックと同じくアイスロック病の治療を志していたウィルも、猛勉強の末に最年少で医師の資格を取り、この研究室で働きだした。
そうしてそれから間もなく、彼らにとって喜ばしい結果が訪れる。
そのきっかけとなる食材は、ずっと身近にあったあの甘酸っぱい果実だったのだ。




