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Fカップ?

ああ、王子! こんばんは。


こんな夜中に誰かと思えばツンデーラ。


何をしている?

へへへ。少し迷っちゃいまして……

迷う?

だって広いんだもん。


いいから早く行け!

へっへへ。


途中で酔っぱらいに出会う災難。

ツンデーラはご機嫌。


酒じゃ! 食い物ぐぁ! ひゃああっはは。

ハイなご様子。


お前。酒を飲んでるのか? 臭!

へへへ。ちょっとだけっすよ。本当にちょっと。


何て奴だ!

へへへ。気にしない。気にしない。この世界ではもう飲んでもいいんだよーん。


酔っぱらいの戯言。真に受けるのもどうかしてるが一応見逃してやるか。


おやっひゅみなは―い。

酒を片手に回れ右。


彼女が心配になったもののこちらには眠りかかっているイーナイナがいる。


とんだ邪魔者が入ったがどうにか寝かしつける事が出来た。


寂しくないように一緒に寝てやる。


王子! うーん。おやすみ……

ああ。


おやすみのキスをして横になる。


可愛らしい寝顔。


寝息を立てて何事か叫んでいる。

昼間のパーティーの夢でも見ているのだろうか。


笑っている? 楽しそうだ。


少女の温もりを感じ眠りにつく。


翌日。

決断の時。


王の間へ。


父上。

決心はついたか?

はい!


よろしい。では連れて参れ!


外で待機させていたツンデーラを呼ぶ。


昨夜の醜態で迷いが生じたが彼女しかいないと諦める。


二日酔いが心配だ。

今のところ軽い頭痛だけ。


父上。私はこの方と生涯を共にしようと思います。


ぬぬ! ツンデーラとな?

本当にこの娘でよいのか?


はい! 父上。いえ国王様。私とツンデーラを祝福ください。


まあ。何と…… まあよい。お主の決めたこと。決断したことを評価せねばな。


ありがとうございます。

王様。ありがたきお言葉。


二人は深く頭を下げる。


よいよい。さっそくじゃがお前たちに任務を与える。

任務でございますか?

そうだ。二人で行ってもらいたいのだ。いいな?

はっはあ!


終始ご機嫌の王。


出発は数日後。

それまでに支度を済ませる。


新章 偽りの平和


花嫁候補を帰しツンデーラも一旦自分の家へ。


夕食を終え風呂へ。


出来る限りのことをしておかなくてはいけない。

一年以上の任務を言い渡されたのだ。それにしてもどこに着任させられるやら。


頭の中は未知の国の事でいっぱいだ。


ぶつぶつ……


ふう。気持ちいい。

貴重な一人の時間。誰にも邪魔されたくない。


うん? ぬるい。 思ったよりも冷えてきたようだ。

ランを呼ばなくては。


ラン!


失礼します。王子ご不便ありませんか?

気が利くではないか。ラン……


誰だ!

お忘れですか。王子。メイド頭のカップ。

ああ、カップか。


カップは故郷に一時里帰りした。

どうやら家族の者の体調がすぐれないと言う事らしい。

もちろん初対面。この情報もランから教わったものに過ぎない。


カップ。何か用か?

いえ、挨拶に伺いました。特にこれと言って用などはありません。


そうか。では出て行ってくれないか。

一人でゆっくりしたいのだ。分かるだろ?


王子。お待ちください。お背中を流すのは私の役目でございます。


そう言うといきなり服を脱ぎだす。


おい! 待ってくれ!

何をしている?


躊躇せずにすべてを脱ぎ捨てた。


こら! 無礼者!

ふふふ。何を言っておられるのですか。


もう何もまとっていない。


見てはいけない。理性が効かなくなってしまう。

王子としてそんな情けない姿は見せられない。


釘付けの目線をどうにか外し……

いや恥ずかしがって目をそらせばそれだけ疑われると言うものだ。

じっと見る事はもちろんできないがチラチラ程度なら問題ないはず。


王子! どうしました。さあ、お背中を流しますよ。。

うん。頼む。


果たしてこの選択が正しいのか間違っているのか。

鼻血は情けないので我慢するが下の方はコントロールできない。


王子! どうしました? 私ごときに興奮なさるなんていつもの王子には見られない。熱でもあるのですか?


まあ暑いのは確かだ。ただこのままいけばのぼせるか風邪をひくかのどちらかだろう。


おかしな王子。

では背中を。


一通り終え、安堵する。


王子! 王子!


急いで風呂につかる。


何だ? まだ何かあるのか?


不機嫌を装う。


ボロが出る前に立ち去りたいが許してくれそうにない。


やっといつもの感じに戻りましたね。

そうかならば風呂から上がるとしよう。

何を言ってるんですか!

ここからが本番ではないですか!


本番? まさかね……


さあ始めましょう。


クソ! ここでばれるぐらいならば……


カップ!


抱き着こうとするが拒否される。


お戯れを!

ふん。冗談の通じん奴だ。


ギリギリでありとあらゆるものを堪える。


では改めまして。

報告いたします。


報告? いや続けてくれ。

不穏な動きがあります。


はあ?

どこに?


ご長男と次男ともにでござます。

ううん。あっそう。

たんぱくですね。何やら感じていたご様子。

はっはは! 何を隠そう……


こんな感じでいいのか?

不安を覚える。


流石はナリット王子。お見それいたしました。

照れるなあ……


カップの話では相当マズい展開になっているようだ。

兄上二人が王位継承で争っている。

だが王である父上が健在である今どうしようと言うのだ。


寛ぐ間もなくランを部屋に呼びつける。


                    続く


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