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迫力満点の演舞で観客大喜び

お待ちかねの演舞。


ナリット王子とツンデーラの舞。


待ってました!

王子!


歓声が上がる。


儀式。


剣と盾を持ち舞台の左端から歩き出す。

花嫁のツンデーラが右端から向かってくる。

息を合わせ。歩幅を合わせちょうど舞台の中央で手を取り合う。


ナリット!

ツンデーラ!


見つめ合う二人。


そこへ試練が……


突如、謎の軍勢が襲い掛かってくる。


待ってました!

頑張れ王子!


興奮した客が合いの手を入れる。

過去にも行われていた儀式。

その為内容を知る者も少なくない。


演舞が始まる。


離れていてくださいツンデーラ。

分かりました王子。


ツンデーラを安全なところに避難させる。


剣と盾を取り謎の集団に立ち向かう。


お前らは一体?


大人しくしろ!


我らの力を見せつけるのだ!

おう!


演舞の基本。

盾で剣を封じ

剣を相手に突き刺す。


助太刀!


応援部隊が現れた。


敵と味方が混ざり合い混乱する。


誰が誰か?


己の目を頼りに敵兵を成敗す。


うおお!


敵はためらわずに切り刻む。


仲間は寸止め。


判断を見誤ると一大事。


うおお!

切り刻む。


ううう!

寸止め。


わああ!


敵味方に分かれての真剣勝負。


敵の声も味方の声も聴衆の声も合わさりそのすべてが融合した迫力満点の演舞。


演舞はついに終盤へ。


男達が二列に並ぶ。

左は味方。

右は敵兵。


同時に襲ってくる。


敵兵は一太刀に耐えられる完璧な鎧を着用。

仮に攻撃を受けても問題ない。

だから遠慮なく一太刀。


一方で仲間の方は軽装。鎧など着けておらず仮に攻撃を受ければ大怪我。

下手をすれば……

慎重にも慎重でなければならない。


一瞬の判断が求められる。


始まってしまえば止めようもない。

儀式なので最後までやり切る。


開始。


うおおお!

勢いよく駆けてくる敵兵。


深呼吸をし心を落ち着かせる。


剣を握る。


相手の剣を剣で制する。


ずっしりした鎧に一太刀。


うう!

男はその場で崩れ落ちる。


続いて右側から走ってくる。


行くぞ!

大きく刀を振り上げ襲ってくる。


ここは盾で防御。

反撃の一太刀。


剣を寝かせて胴に一撃。


ギリギリで止める。

いわゆる寸止め。


観衆からは良く見えないのでヒットしたかのように倒れる。


良いぞ! 良いぞ!

きゃああ!

もっとやれ!


大迫力の演舞に観衆は釘づけ。


大興奮。


時を置かずして果敢に攻めてくる敵味方。


左は一太刀。

右は寸止め。

左は剣で止める。

右は盾で防御。


うおおお!

行くぞ!


敵味方間違えることなく剣を振るう。


最後の敵を切り刻み演舞終了。


パチパチ

パチパチ


大きな拍手で称える。


ナリット!

王子!


興奮が収まらない観衆が舞台に駆け、目の前まで迫る。


よくやったぞナリット。

王が褒め称える。


有難き幸せ。


兄たちも倣う。


ナリット!

良いぞナリット!


この流れで結納の儀に移る。


ツンデーラが家宝のゴールドカードを献上。


お受け取り下さい王様。

うむ。


ナリットが金をふんだんに散りばめた大粒のダイヤを手渡す。


ありがとうナリット王子。


ツンデーラの左手に嵌めてやる。

ありがとうナリット。


では誓いの言葉を述べよ。


この国の王、ヨーク王の名のもとに私ナリットと私ツンデーラは生涯を共にすることを誓います。


よし誓いの印を!


ナリット!

ツンデーラ!


見つめ合い肩を掴む。


目を閉じた花嫁に口づけ。


接吻。


パチパチ

パチパチ


良いか。誓いの言葉を忘れるでないぞ。


はい。父上。

はい。お父様。


国王と呼べ!

分かりました。国王様。


もしもこの誓いを忘れ裏切るようなことがあれば切腹もあり得るぞ。

それだけ重いと言うことだ。分かったか?


切腹?


ははは。ご冗談を! 接吻の後に切腹の話とは縁起でもない。


ではこれで婚礼の儀を終える。


あれ王様? 父上?


続いて出立式に移る。


集まってくれた皆の者よ。明日はこの二人が異国の地に旅立つ。

どうか盛大に見送って欲しい。


では前夜祭と行こう。


様々な料理を用意した。

好きな物を腹いっぱい食べて欲しい。

酒も用意してある。

それでは始めてくれ。


王の号令で宴会が始まった。


招待客はもちろんのことメイドや使用人、兵士までも手が空いていれば自由に参加してよい。

身分に関係なく無礼講。


王子たちの門出を祝うパーティー。


がつがつ

もぐもぐ


ここぞとばかりに腹に詰め込む村人。


カチャカチャ

ガチャガチャ


マナーなど気にせず不快な音を立てる男たち。


優雅にティータイムに興じるご婦人。


高級食材に舌鼓の紳士。


あらゆるとこから取り寄せたアルコール類。

ワインにスコッチ。ジンにウオッカ。麦に芋等々。


ご馳走には旨い酒とばかりに男たちが顔を赤らめる。


ついには飲み比べが始まった。


その様子を冷めた様子で見守るご婦人方。


どうしよもないんだから!

はっははっは!


開始から一時間。


飲み過ぎて横になってしまう者多数。

限度を知らない。

困った連中だが満足したのか気持ちよさそうに眠っている。


酒だ! 酒だ! もっと持って来い!

酒で気が強くなったのかメイドたちに威張り散らす愚か者。


前夜祭は限度を超えて飲み過ぎ退場する者が続出。

想定外の人数となる。

メイドたちの手が足りない。

どうしたものか?


残ったのは素面の者か適度に飲酒する者。

子供か酒豪のいずれかだ。

 

                    続く


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