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運命の日

運命の日。


おはようございます。

勢いよく入ってきたメイド。


昨晩は大変でしたね。

君もあの場にいたのか?

覚えてないんですか? 私のすべて。


まさか…… 裸で寝ていた変な奴。


いつもそうなのか?

王子! そんな訳ないじゃないですか!

ではたまたまだと?

当たり前です!


まったく王子ったら……


あそこは男子禁制ですよ。

夜中に男の人が侵入するなんてそれも王子様。


知りませんでした王子に変わった趣味があるなんて。

勘違いするな! ツンデーラを探しに来ただけだ。


本当ですか?

ああ。神に誓って。ってあの爺さんじゃないよ。

何か言いました?

いや、こっちの話だ。


騒ぎを起こした自覚はあるさ。しかし……


冗談ですよ。王子。心得ています。

何をだ言ってみろ?

変態趣味……


おお! 広まってしまう!


本当に冗談です。


どうも調子が悪い。


ランはどうした?

さあ。用があると言って出て行ったきり行方が分からなくなってまして……


それは…… まずい。

ランなしでは心細い。どうする?

肝心な時にどこかへ行ってしまった。

探している余裕もないし……


ランが戻ったら知らせてくれ。

了解しました。


ブランチを終えツンデーラと王を訪ねる。


二人とも覚悟はいいな?

ナリット?

はい!


ツンデーラ?

もちろんです。


よし準備に取り掛かれ!


午後から儀式を行う。


夜に出立式の前夜祭、翌朝出立式を行う。


心得ています。


では儀式に招待したお客様を出向かいに行くぞ!

付いて参れ!


王の後を儀式の主役であるナリットとツンデーラが追いかける。


頑張ってください。

楽しみにしています。

ナリット王子。

ツンデーラもね。


メイドたちの励ましを受ける。


一大イベントだけあってメイドたちも気合いが入っている。

失敗は許されない。

それは我らだけでなく彼女たちにも言えるのだ。


外へ。


招待客は隣国の王やその親族。

高貴な方々だ。


中には見たこともない格好の者。

ど派手な衣装で皆の注目を集める姉妹。

不自然なほど畏まった成り立ての金持ち。

動物好きのご婦人。

今にも崩れ落ちそうな老紳士。


などなど。


親衛隊長が不審な人物に目を光らせている。

今のところ別段変わった様子はない。


ようこそ。

お招きいただきありがとうございます。


こちらです。


これはこれはヨーク王。お久しぶりです。

うむ。本日はナリット王子の為に良く集まってくれた。

礼を言うぞ。


こちらがお相手の方。

お美しいですわね。


ありがとうございます。


ナリット様は幸せ者です。


ありがとうございます。


つまらないあいさつ回りをする。


退屈で仕方ないがこれも我らの為。

祝福されているのだ。

黙って笑顔を振りまく。


ほら……

ありがとうございます。


さっきからツンデーラはありがとう以外発してない。

王の指示なのか。

彼女の考えなのかは分からない。

下手に話せばボロがでると判断したようだ。


昨夜の騒ぎで服はボロボロ。

だが衣装はいくらでも替えが効く。

新しいのを用意させればいい。


しかしガラスの靴は替えが無い。

メイドに無理を言って靴の汚れを取り除き傷が分からないようにしてもらった。


青紫のロングドレス。

装飾の指輪とブレスレット。

ティアラを頭につける。

贅沢な花嫁衣裳。

足元には白く輝いたガラスの靴。


オーラを放っている。


それに引き換え私はヨーク家の伝統の衣装。

比較すると地味に感じる。


ツンデーラ!

王子!


互いに見つめあう。


お二人とも似合ってますよ。


幼馴染のアルールとその両親。


アルールはまだあきらめていない様子。

笑顔の裏にツンデーラへの対抗心が見え隠れする。


ごきげんよう。


続いて両親に連れられてイーナイナがやってくる。


可愛らしい派手な服。

いくら子供とは言え姫。

みずほらしい格好はさせられない。

プライドがあるのだ。


しかし主役のツンデーラよりも目立っているようでふさわしくない格好と言わざるを得ない。


王子! 遊びましょう!

ええ? 今?


こら! 王子が困ってるでしょう。

すいませんね。王子。


まだまだ子供である。

小さなレディーに続いてエミ―と村娘が挨拶にやってくる。


儀式開始。


第一王子が姿を現した。


どことなく体調が悪そうだ。

昨晩の冷え込みで風邪でも引いたのか覇気がない。それに引き換え第二王子は自信満々で堂々と座っている。


何も起こらなければいいが。

それではつまらない?

いや、不謹慎であろうか。


これで大方出揃った。


婚礼の儀へ。


庭園を抜け広場まで歩き出す。

ぞろぞろ。


挨拶。


国王のスピーチ。


続いて集まった全員から一言。

大体一時間かかる。


聴衆は我慢の限界。


この時間を使って演舞の最終確認だ。


この大地のように…… 以上。

最後のスピーチを終え演舞が迫ってきた。


次はヨーク家伝統の踊りです。

幼いころから教わっている踊りを披露。

兄たちは難なくこなす。


自分はというと周りの者の見よう見まねで踊っている。

初めて見た踊りなのだから当然うまくいくはずがない。


誰も察してはくれない。

ナリット王子しっかり!

地獄の時間が続く。


踊りの次はメイドたちのコーラス。

明るい爽やかな歌で聴衆を魅了。

広場全体に響き渡る美声。


こうして舞台が温まったところで演舞に移る。


                      続く



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