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まじめが取り柄じゃ生きにくいですか?  作者: たもん めぐみ
プロローグ
3/4

確認不足は時に死を招く

「本当に死んじゃいたい!!」

 ブツブツと呟きながら家路を急ぐ。本当に働き始めてから何もかもが最悪だ。

 学生時代は言われたこと、やらなければならない事が明確だった。それを期日までにこなして提出すれば問題なかった。


私は普通の事が普通にできる人間だと思っていた。


 それが働き始めたらどうだろう?暗黙のルールに、察し合い。一度しかされない説明で完璧に覚えて、なおかつそれを説明されてないのに応用しながらでないとこなせない業務。

 それに、いくら頑張っても頑張りだけじゃ認められない完全な成果主義。


 私はこんなに覚えの悪い、要領の悪い人間だったのかと初めて気がついた。学生時代も勉強に力を入れる為にバイトなんてしたことがなかった。それのつけが廻ってきたのだろうか?


 今日の失敗が頭から離れない。頑張っているのに全然うまくいかない。ちゃんと取ってるメモも意味をなさない。真面目にやっているのに…


 ぐるぐると考えながら前を歩く人の背中を何となく視界に入れながら横断歩道を渡る。


すぐ近くで大きな音がした、気がした。クラクションのような大きな音。


 顔を上げると、横断歩道の信号が赤い事を知った。私そういえば信号確認しながら渡ってないや。

前を歩いていたのであろう、疲れた感じのおじさんが驚いた顔で私の方を見ていた。


 あれ?そういえばここって横断歩道のど真ん中?


 そんな事をぼんやりと、でも一瞬で頭の中で考えているうちにおじさんがトラックにはねられて宙を舞うのを、私も宙に舞いながら眺めていた。



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