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まじめが取り柄じゃ生きにくいですか?  作者: たもん めぐみ
プロローグ
1/4

気づいたら友達がいなかった


 真面目に生きてきたつもりだ。

 小中とちゃんと学校に通いきった。不登校にだってならずに、時々仮病を使ったりしながらきちんと卒業した。

 小学校で部活動は無かったが、中学校では美術部として3年間を過ごした。帰宅部なんかじゃなかった。

 高校は、学区内で中の中の下の公立高校に進学した。ちゃんと受験をして、学力で入った。

部活動もボランティア部に入って、2週間に1度の老人福祉施設や保育園への訪問、学園祭でのバザーにきちんと参加した。

 大学も出た。私立にはなってしまったけれど、電車が1時間に一本の田舎から晴れて東京の女子大学に進学した。単位を落とすこともあったけれど、飲み明かして一限を切るなんてことはしなかった。代理出席を頼むことも、昨年のテストの答案用紙を入手して勉強をするなんてずるい真似もしなかった。

資格だってとった。簿記に英検。低い級だったけれど、何も取らなかったわけじゃない。

 無事に就職も決まった。小さな会社の事務だけれど、安定した正社員だ。


 私は私の人生を真面目に生きていたと思う。


 なのに何故、この歳になって友達がいない?

 なぜ青春の思い出がひとつもないのだ?


 いや、訂正する。


 友達がいないわけではない。小中高大と話をするクラスメイトはいた。

SNSだって知っている。そういった友達複数人とでご飯にだって行ったこともある。

 でも高校を卒業してから、高校の友達から連絡が来ることはなかった。

 大学を卒業して社会人になって、大学の友達から連絡が来ることはなかった。


 SNSで私の友達と友達がご飯に行ったという投稿にただイイネを押す日々。


 私の何がいけなかったのか?


 嫌われるような事をした覚えはない。友達に文句を言ったこともない。いつも頼られて助けてあげていた気がする。

なのになぜ、私の周りには友達がいないのだろうか? 

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