【歌番組の見学】
今日は湊の仕事を見学する日だ。
昼間頃にテレビ局集合で、歌番組を見ることになっている。
ゲームで何度も訪れているSpring局である。
ステージ衣装を身にまとった湊と合流するとスタジオに案内された。
スタジオには色んな人がいて、ゲームでは描かれていないキャラクターが沢山いた。
暫くすると撮影が始まった。
「本日のSpringMusicに出演するアーティストを紹介します。1組目は鷹司湊さん」
湊「鷹司湊です。今日は宜しくお願い致します」
「2組目は―――」
全6組が紹介されるとカットが入った。
スタジオを移動して湊が歌うステージの方へ移動する。
恐らく歌うのはキャラソンだとは思うが、どの曲を歌うのだろうか。
湊のキャラソンなら「ガラスの靴」が好きだけどMINATOの曲っていう設定だしな。
まぁどうせすぐにわかるからいいか。
誠「今日の先生は一段とカッコいい」
玲「そうだね。あとどの曲歌うのか楽しみだね」
翼「新曲歌うから『夢で逢えたら』だろ。この曲は四季先生が出てるドラマの主題歌にもなってるし」
玲「そうだよね」
まじかー。
『夢で逢えたら』って確か失恋ソングで多くの湊ファンが号泣した曲だぞ。
湊の曲は基本的に明るいけど、あの曲だけは悲しい感じだから印象に残ってる。
てか瑛士ってドラマ出てたのかよ。
まぁ儚い雰囲気があるから、失恋系のドラマとか似合いそうだけどな。
本人は病み気味のシスコンだけど。
Spadeの3人だけ何故か監禁エンドあって、その時に連れられた瑛士のコレクション部屋は狂気的だった。
一面にヒロインの写真を飾ってあり、昔の服とかを全て保存されている。
ちなみに瑛士の好感度を一定数あげていないとSpadeではどのルートでもなるエンドだ。
一応Clubとはいえど念の為に好感度はあげている。
なぜなら俺という異質な存在が介入したことで、イレギュラーな事が起きるかもしれないからだ。
実際にClubではほぼ空気だった瑛士がかなり俺の事を構ってくる。
玲「私あの曲結構好きだよ」
誠「俺はどっちかというと明るい方が好きだけど、鷹司先生みたいに色々な曲を歌いこなせるアイドルになりたい」
翼「まぁ幅広く歌えた方が生き残りやすいからな。一条家のイメージを悪くしないものならいいと思う。それに誠の顔的にそういう役割は来なさそうだし問題ない」
玲「誠はTHE主人公っていう感じだよね」
翼「色々主人公みたいなトラブルにも巻き込まれたしな」
誠「今はそんな昔のようなことなんか滅多に起こらないってば」
はい唐突にフラグきたーーー。
誠ルートで分かる事だが、昔信頼していた使用人に身代金目的で誘拐された経験がある。
その事件以降、誠はどこか人を信じられないようになってしまったという。
本人は自覚しており、フレンドリーな感じで接して彼なりに克服しようとしているらしい。
湊「みんなそろそろ収録再開するよ」
湊に声をかけられ皆気持ちを切り替える。
これから湊のステージを生で観る事が出来る。
ライトを浴びる湊はいつも以上にカッコよく見えた。
さすがClubで一番人気キャラクターだ。
視線だけで惚れる。
動きのひとつひとつが綺麗すぎる。
イベントとかで声優さんや俳優さんが歌うのも観た事あるけど、やっぱこの世界だと異次元の美しさがあるな。
「鷹司 湊さんで『夢で逢えたら』」
湊「貴女のことを想い 夢へと旅経つ」
湊が歌い出した瞬間スタジオの雰囲気が一瞬にして変わった。
先程までの騒々しい感じは無くなり静まり返る。
湊の甘くて切ない歌声がよく聞こえる。
湊「ここはふたりだけの小さな世界」
湊「誰の目も気にしないで貴女と一緒にいられる幸せな世界」
湊「貴女を抱きそっと口づけをする」
やべぇ何故か涙が出てきた。
あの顔でこの歌声はズルい。
好きになるわ。
世の中の女性が湊に夢中になった理由が分かる気がする。
さすが人気ランキング常に上位をキープしてるキャラクターだな。
湊「ずっとこのまま居られたらいいのに」
湊「そう願っても 無慈悲な鐘の音が僕の世界を壊す」
「カット。ステージ変更するので一旦休憩入ります」
湊が歌い終わり観客を見渡すとハンカチ片手に泣いている人が多い。
横を見ると誠が泣いていて翼がハンカチとティッシュを渡している。
そんな翼も少し目を赤くしている。
湊「今日の実習はこれで終わりだよ。気持ちが落ち着くまで僕の楽屋にいていいからね」
翼「ありがとうございます。ちょっと誠を連れて行きます」
誠は翼に支えられながら楽屋へ連れられて行った。
一緒について行こうか悩んでいると、ふと湊と目が合い微笑まれ話しかけられた。
湊「僕のステージどうだった?」
玲「なんというか、心がギュッと掴まれたよ」
湊「よかった。瑛士が出てるドラマの主題歌だし、実はこれ歌うの凄く緊張するんだ」
玲「そんな風には見えなかったけど」
湊「まぁプロだからね。ステージに上がれば僕はアイドル鷹司湊として完璧にこなすよ」
玲「さすが湊君だね。カッコいい」
湊「あっありがとう。玲華ちゃんからカッコいいって言われると照れるな」
玲「言われ慣れてるでしょ」
湊「そうなんだけどね。ファンから言われるのと玲華ちゃんから言われるのは違うっていうか」
玲「最近あんま言っていないからかな~。よく家に遊びに来てた時は言ってたと思うんだけど」
湊「あの時はほら皆に言ってたし」
玲「そんな誰にでもカッコいいなんて言わないよ」
湊「っん。玲香ちゃんってそういうとこあるよね」
玲「え?」
湊「わからないならいいよ。むしろその方がいい」
玲「うーん。よくわからないけどわかった」
湊は話の話題を変えようとわざとらしく、声をあげた。
湊「そういえばこのあと、瑛士達と会うんだけど玲華ちゃんも来る?」
玲「いいの?」
湊「むしろ来てくれた方が皆喜ぶよ。玲華ちゃんが僕の生徒になった関係で麗央とかが八つ当たりしてくるんだ」
玲「あははは」
湊「じゃあ僕は着替えてくるからそしたら車でいこうか」
玲「はい」
気持ちが落ち着いて迎えの車が来た誠と翼を見送っていると、私服に着替えた湊が来て一緒に車に乗った。
車を走らせること1時間。
連れていかれたのは湊が住む高級マンションだった。
最上階にある湊の部屋に案内された。
部屋に入るとすでに他の3人は集まっていてお酒を飲んだりしている。
湊「僕が帰ってくるまで飲まないで待っててって言ったのに」
日「だってー湊が遅いのが悪い。あれ玲華じゃん。久しぶり!」
春夏秋冬 日向(20) O型 乙女座
ヒロインである俺とは「いとこ」という関係だ。
バラエティーをメインにマルチタレントとして活躍する傍らタレントコースDiamond担任である。
明るい性格で同じくいとこである瑛士とは真逆のタイプだが、大の仲良し。
苦労性で損な役回りが多いが本人は気にしていない、超ポジティブ思考。
皆の兄的な存在。
そしてFour Princeのリーダーだ。
玲「入所式以来だから、そこまで久しぶりじゃないでしょ」
日「1週間会えなかったら俺の中では久しぶりなの。俺のクラスの生徒だったら毎週会えたのに。今からタレントコースに来ない?いつでも歓迎するよ」
湊「僕の生徒に手を出すな。玲華ちゃんは僕が責任を持って指導するから」
日「けーち。じゃあいっそ四季家に住もうかな~っておい瑛士そんなに睨むな」
瑛「睨んでなんかいない」
日「瑛士は本当に玲華の事になると容赦ないよな」
麗「ちょっとー勝手に盛り上がって玲華ちゃんを独占しないでよ。この中で一番会いにくいの私なんだから!今日ぐらいは私に譲りなさい」
玲「麗央ちゃん痛い。もうちょっと腕を掴む力緩めて」
麗「あっ。ごめんね。大丈夫?痕になってない?」
玲「うん。大丈夫だよ」
姫咲麗央(20) B型 蠍座
パッと見女の子に見えるがれっきとした男の娘である。
男だが女優として活動する傍ら俳優コースHeartの担任をしている。
昔女顔とイジメられ見返してやろうというのがきっかけで男の娘になった。
見た目は可憐で可愛い女の子だが中身は肉食系男子だ。
しかも武闘派でFour seasonに出てくるキャラクターで一番力が強い。
瑛「玲華を傷つけたら許さない」
麗「そこまで強く握ってないってば!瑛士の目怖すぎ」
玲「お兄ちゃん本当に大丈夫だからね」
瑛「うん。何かあったらちゃんと言ってね。すぐに排除するから」
湊「瑛士ちょっと物騒だよ」
日「飲みすぎ。ほらもうお前は寝ろ」
瑛「寝る」
立ち上がった瑛士は俺のもとにきて座ってる俺に寄り掛かるように寝始めた。
正直重たいからどけたいが、抱き着かれている為無理だろう。
3人にそれとなく視線を送ったが無言のまま顔を左右に振られた。
思わず薄情者め!っと心の中で罵る。
湊「今ブランケット持ってくるよ」
日「ある程度したら起こすからそれまで頑張ってくれ」
麗「相変わらずのシスコンぶりね」
玲「この裏切りは許さないから」
何が悲しくてイケメンに抱き着かれないといけないんだ。
どうせなら可愛い女の子がいい。
チェンジしろ。
結局この後何をしても瑛士が起きなかった為、湊の家に泊まる事になった。
まさか雑魚寝するとは思わなかったが、瑛士のせいで動けないから仕方がない。
朝起きると俺に抱き着いていることに驚いた瑛士は俺に謝るとシャワーを浴びに風呂場へ直行した。
普段落ち着いている瑛士があたふたしていて可愛かったのが今回唯一の癒しだった。