表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は乙女ゲーのヒロインになって復讐する  作者: るびぃいろ
~Episode of Club~
2/9

【ゲームの中での生活】


俺がこの乙女ゲームの中に閉じ込められて1週間が経った。

ここまでで分かった事は、ゲームの時は普段の学校での生活が描かれていないが、学校に通わないといけないというリアルな世界だということだ。

もう一度高校生活を過ごす羽目になるとは思わなかった。

中高と男子校のむさくるしい学校生活ではなく、沢山の女の子に囲まれている為かなり嬉しい。

名前と性別は女仕様になってしまったが、外見のほとんどは男の時代のままだ。

散々女顔のせいで苦労してきたが、実際に女の子になった自分を見てみたら結構イケてる。

控えめに言っても可愛い。

1000年に1人の美少女とは言わないが、500年に1人の美少女と言ってもいいだろう。

この顔に惚れない人などはいないはずだ。


誠「さっきからボーっとしてるけど大丈夫?」

玲「っ何でもない」

湊「月見里さん。体調悪いようなら無理しないように」

玲「はい」

湊「では授業を再開します。今日はアイドルに必要な心構えの話をするね。まずアイドルに必要な事は常にファンの理想であり続けること。ひとりひとり求められている理想の自分というものがある。例えば僕ならファンの子から求められているのは王子様であること。僕には鷹司財閥の次男という肩書きもあるからそういったものを求められやすい。だから僕はファンの前では王子様であることに意識している」

「先生は嫌にならないのですか?」

湊「嫌にはならないけど、疲れる時はあるよ。でも素のままの自分で居られる友人がいれば大丈夫。ファンの理想でいるのは大切だけど言いなりにはならないようにね」


理想の自分か。

とりあえず俺はこのゲームを不本意だがやりこんでいる。

ヒロインに求められているものは全て理解しているつもりだ。

しかも俺にはヒロイン補正があり、惚れさせることは簡単。

ただ惚れさせてフッても意味がない。

俺無しでは生きられないぐらい惚れさせるのが目標だ。

湊は実際のところ王子様である自分が嫌いだ。

鷹司財閥の次男としてあまりいい思い出がない。

アイドルなんて仕事をしているが、実は女嫌いである。

それなのにアイドルという職業を選んだのには理由があり、アイドルになれば自分の存在が手に届かないものになると思ったからだ。

実際に財閥関係のパーティーとかで言い寄られても、アイドルであることを言い訳に断っていた。

そういえばこのイベントいつ来るんだっけ。

今度イベントの情報を整理するか。

そう考えていると今日の授業が終わっていた。


とりあえず今日から全員に話しかけまくって好感度を上げていくぞ。


玲「ねぇねぇこの後さ、みんなでご飯食べていかない?」

誠「いいね!行こうよ」

翼「誠が行くなら行く」

玲「よし決まり!最近いいお店見つけたんだ」


幼馴染2人組を攻略する上で重要なのは誠を味方につけられるかどうかだ。

誠がOKサインを出せば、翼は付いてくる。

基本的に3人行動をしてペアで行動する時にひとりひとり確実に落としていけばいい。

これぞ一石二鳥。

荷物を片付けてから養成所に出ようとしたところに財布を持った湊に出会う。


玲「今からご飯を買いに行くのですか?」

湊「そうだよ。ちょっとコンビニで買ってこようかなって思ってさ」

誠「これから俺らご飯食べに行くんですけど、よかったら一緒に食べに行きませんか?」

湊「えっ?いいの?丁度ひとりで食べるのは寂しいなって思ってたんだ。それなら僕のオススメのお店に連れていくよ。車取ってくるからちょっと待ってて」

翼「先生ありがとうございます」

湊「いいよ。こうやって生徒と親睦を深めるのも悪くはないし」


湊はそう言い残すと車を取りに出て行った。

まさかこんな展開になるとは思わなかったぞ。

そもそもゲームじゃ養成所ある日にお出かけなんて選択肢無かったしな。

少し待っていると湊が車に乗って俺らの前に現れた。


湊「じゃあみんな乗って」


幼馴染2人組は後部座席に乗り込んだ為、俺は必然と助手席に座る事になった。

車内はいい香りでつくづくこれだからイケメンはと思ってしまう。

運転している姿を横目で見ていると目が合い微笑まれた。


うぐっ、カッコいいじゃないか。

俺が女だったら惚れていたかもしれない。

いや今は女だけどな。

ただ俺には恨みがある。

これぐらいで許されるとは思うなよ。

車に揺られること30分どうやら目的のお店についたらしい。

さすが芸能人ということもあり、完全個室の高そうな店だ。

現実世界の俺では踏み入れることすら出来ないだろう。

湊が予め電話を入れていたらしく、注文しなくても料理が沢山出てきた。


湊「さぁ遠慮しないで食べてね」

誠「いただきまーす」

翼「頂きます」

玲「美味しそうですね!頂きます」


肉を一切れ口に運ぶと肉汁が口の中に溢れた。

この肉旨すぎる。

油がしつこくなくて丁度いい。

こんなにも美味しいものが食べられるなんてこの世界に来て始めて感謝した。


湊「気に入ってくれたみたいでよかったよ」

翼「ここにはよく来られるんですか?」

湊「そうだね。4人でよく話し合う時とかに使っているよ」

誠「ここのお店初めて来ました」

翼「一見さんお断りなお店っぽいです」

湊「芸能人がよく使っている店だよ。この店はマスコミが入り込めないから重宝してるよ。ここのオーナーとは昔からの知り合いだからいつも優先的に場所空けてくれるんだ」

誠「そうなんですね」

翼「肉ばっか食べてないでお前も会話に参加しろよ」

玲「だってここのお肉美味しすぎるだもん」

湊「そんなに慌てて食べなくても沢山あるから大丈夫だよ」

玲「はーい」

誠「玲華ちゃんは花より団子のタイプなんだね」

湊「いい事じゃないか。僕は小食な子よりも月見里さんみたいにいっぱい食べてくれる子の方が可愛いと思うよ」

翼「それにしても限度っていうものがあるとは思いますけどね。もっとこう慎みがあった方が」

玲「ちゃんと時と場所選んでますー。みんなの前だからいつも道理の自分でいるだけですー」


そう俺が言うと3人は一斉に少し顔を赤らめながら下を向いた。

この3人は女の子というか人に対してどこか不信なところがある為、ありのままの自分を出してくれるところに惚れやすいという事が俺の経験上(ゲームの内容)分かっている。

この反応を見る限り、俺の事をすでに女の子として意識してくれているみたいだ。

まだ出会って1週間だがまずまずのところだろう。

さぁ早く俺に惚れるがいい。


美味しい肉を頂く事3時間。

もう夜が遅い為、解散することになった。

幼馴染2人組はというと誠の使用人がお迎えに来て帰ることになり、俺は湊に送って貰う為再び湊の車に乗った。


湊「玲華ちゃん、養成所は楽しい?」

玲「うん。楽しいよ。湊君」

湊「それならよかった。玲華ちゃんが俺のクラスの生徒だからさ、3人に恨まれて大変だったよ」

玲「えっとその、お疲れ様です」

湊「別にそんな気にしなくてもいいよ。でも日向と麗央なら未だしも瑛士まで露骨に恨まれるとは思わなかったけどね」

玲「多分心配なんだと思うよ。お兄ちゃんってちょっと過保護なところあるし」

湊「確かに。玲華ちゃんの話をしている時だけ生き生きとしてる」

玲「恥ずかしいから止めて欲しいんだけどね」

湊「兄妹仲良くていいと思うよ」

玲「そうだね」

湊「ほら家に着いたよ」

玲「色々ありがとうございます。お肉美味しかった」

湊「ふっふっふ」

玲「なんで笑ってるの?」

湊「いや、本当にお肉が好きなんだなって思っただけだよ。それじゃあ土曜日の実習で会おう」

玲「はい」

湊「またね」


湊は車を走らせた。

家に入ると案の定、瑛士がリビングで体育座りをしながら待っていた。

瑛士は1人でいるのが好きではないらしく、よくリビングにいる。


玲「ただいま」

瑛「おかえり。湊から少し話を聞いたよ。今度俺が美味しいお肉屋さん連れてってあげる」

玲「えっ!?本当!?嬉しい」

瑛「うん。じゃあ俺は明日の仕事早いからもう寝る」

玲「ありがと。お兄ちゃんお休み」

瑛「お休み」


わざわざお休みを言う為だけに瑛士は起きてたのかよ。

まぁでも瑛士ならあり得るか。でもこれは早い段階で依存されそうだな。

少し気をつけないと。

今回攻略する対象じゃないんだし。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ