#82 研究員③
昨日は、紳士だったのに聞いても分からないと言った、とメモがあったのだけれど、紳士キャラというものがあって、それは珍しいことで、いつも会話が噛み合っていないとか、そんなニュアンスのメモなのかな、と思い、紳士キャラのことを真摯に受け止めようと思った。
紳士がキャラということは、普段が紳士ではないということで、普段の僕を思い返してみると、『ひらくとあくは、両方とも【開く】と書いて、フリガナも同じだから、開らくとしてほしかったし、わたくしもわたしも、私と書くしかないから、私し、みたいにしたかった』みたいなことしか考えていなかった。
知らない人格が、歩き出しているのではないか?というメモもあって、僕はひとつの人格でやらせてもらっているつもりで、たまにテンションが上がったり上がったり上がったり上がったり、普通になったり上がったりはあるけど、人格の取り巻きみたいなものはいない。
彼女は姉と共に、彼女自身の架空のキャラノートを作っていたようで、僕のキャラに対抗するために、色々としてくれたことは嬉しいが、彼女のキャラが飛び抜けすぎていて、僕の人格がひよったのは、正真正銘の間違いないことであって、正真正銘の間違いないことである。
僕に彼女の姉が、そのキャラノートを見せたのは、頼まれたからだろうと思っていて、僕の彼女へのキャラ対策が無駄であったことは、少し悔やまれるが、そこから先の真実に向かおうとすると、混乱して混乱して、頭こんがらがってこんがらがって、こんからがって、かんがらごって、しまってしまっちゃう。
最近は、僕のキャラが減って少なくなってきているとメモがあって、彼女の変なキャラ達が影響して、僕が、真の僕に近づいているなら、感謝しなくてはならないと思ったが、彼女のキャラが、キャラメルのように甘いキャラだけでなく、カラメルソースみたいな苦いものが多く、まだ許しがたい。
キャラが減ったら普段の生活が戻るのかと思ったら、キャラが減ったら彼女が普通に戻るのかと思ったら、寂しくて、寂しくて、寂しくて寂しくて、寂しくて寂しくて、寂しくって寂しくて、さびしいなと心から、心のそこから、心の底から思った。
彼女の変なキャラで、僕のキャラを誘き寄せて消滅させる、とかバカな僕にはよく分からなくて、その仕組みは頭のいい人にしか分からないと思うから、僕はただ、『今はコンプラに気を遣いすぎた、テレビ番組の成れの果てみたいな感じだ』『今はコンプラに気を遣いすぎた、テレビ番組の成れの果てみたいな感じだ』みたいに思っておけばいいんだ。
やめ時かもしれないな普通にしようかな、という、彼女のメモを見て、複雑な気持ちになっていて、どれだけ複雑かというと、4兄弟なのにお父さんがそれぞれ違う人、みたいな感じの複雑さに近いくらいの、複雑さだろう。
やっぱり、特殊キャラの彼女も捨てがたい気持ちが出てきていて、元々変人好きというのもあるけど、彼女の独特なキャラの言葉選びにも注目していたから、いなくなるのは残念で、特殊キャラ特集は特需!特殊キャラ特集は特需!特殊キャラ特集は特需!と叫んでやりたいくらいだ。
彼女の次の変なキャラを予想している、僕がいて、予想はよそうと思っても、僕の中のスーパーブレインちゃんが、勝手に動き出して、妄想世界で両手広げちゃっているから、彼女のキャラを脳内で広げていく作業は、仕方がないことなのかもしれないと、感じている。
彼女の普通を受け入れる方が、難しいかもしれないけど、僕がもし有名プロゴルファーのキャディ一だとしたら、グリーン上で選手がパタ一で打つとき、テレビカメラの位置を確認して、カップを隠さないように移動することができると思うから、柔軟さはあるはずだ。
彼女の普通ってどんなんだったかな、と思っても、意外と前のことは覚えていないもので、大好きだったドラマの最終回は、どんな結末だったと聞かれても、たぶんほとんど覚えていないくらいだと思うから、もっと普段から、彼女日記的なものをつけておくべきだったと、反省した。
彼女は最初からぶっ飛んでいたのかもしれない、そう思ってきていて、記憶からぶっ飛ぶくらいぶっ飛んでいたのなら、覚えていなくても、仕方がないと思うから、それでいいのだが、最近は【反省した】と言いたいのに【反芻した】という言葉がちらついて、言葉に詰まることがあるから、気を付けたいと思う。
僕のおかげで演技が上達して、ビッグな仕事のオファーが来たと、メモには書いてあって、その後には、あの有名な刑事シリーズのメインキャストに決定したことが書かれていて、まだ新シリーズ製作の話は出ていないから、ワッてなって、フォッてなって、ポッてした。
新聞の占いに、【ラッキーフード⇒ミルクティー】【強引はダメ】と書いてあって、スーパーに行ったときに探したけど、ミルクティーがなくて、ほうじ茶ラテしか売ってなくて、ほうじ茶ラテも、大きなくくりだとミルクティーだよな、と思って強引にそれで済ませようとしたけど、強引はダメだと書いてあったから、違うスーパーでミルクティーをわざわざ買ったことがある僕だが、彼女は強引にでも、世界的な女優になってほしい。




