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#68 リピハラ②

彼女は、リピートハラスメントをしてきて、しつこいのが苦手だからどうしよう、でも短いスパンなら大丈夫か、みたいに感じて、公園に散歩しにいこうと言ってきて公園に行って、お弁当を作ってきてくれて、大好きだよと言ってくれて、良かったのが、さっきまでの話だ。


大好きだよと言われたから、こっちも言ったけど、大好きとはどういうことなのか、あまり考えずに言ってしまっていて、普通の好きを小豆とした場合、大好きは、大豆くらいの大きさと考える、この考え方で合っているだろうか。


3回連続で同じことを言う彼女だけれど、楽と言えば楽で、こんな感じの時間も楽しいと言えば楽しくて、以前に現れた、彼女の超ヤバイキャラクターが、明日そっくりそのまま、あの日と一言一句変わらずに、降臨したとしたなら嫌だが、短時間でのリピートは、まだマシだ。


尺を食っているだけというか、3倍の時間が掛かっているだけで、それは、3倍の時間が掛かっているだけだから、つまり、3倍の時間が掛かっているだけということになり、まとめると、3倍の時間が掛かっているだけで、3倍の時間が掛かっているだけということになる。


この公園で、まったり食べるお弁当は格別で、3という数字が今まで好きじゃなかったが、なんか好きになりかけていて、木に掘られている公園名に使われている【ヨ】というカタカナも、彼女の口を開けた横顔も、3に見えてしまい、たぶん、デジタル時計の3時33分を見たときにはもう、テンションすごいと思う。


ウインナーも唐揚げも三個ずつで、それはそれで嬉しくって、ウインナーが、漢数字の三のように、山椒みたいなものが振りかけられたご飯の上に、きっちりと並べられていて、美しいなとか、燦々としているなとか、思ったりしていた。


彼女が僕に今の気持ちを伝えてくれて、リピートせずに5分ほど喋ってくれて、やさしく心を込めて、気持ちを一生懸命に伝えてくれて、放ってくれて、僕の心は嬉しさに溢れていて、今まで、別れずに、彼女と付き合ってきて良かったと思った。


しかし、その5分の言葉の冒頭部分みたいなものを、もう一度彼女が言い始めたので、またか終わったなと思ってしまって、これって、この2回目の5分間が終わっても、3回目の5分間が始まるんだよな、と思ってしまって、味はしばらくしなくなっていた。


僕は、ウインナーをゆっくり3本続けて食べることにしていて、2回目の5分間と、3回目の5分間を合わせると、10分間になるから、10分間をかけて、ゆっくりと3本を食べきろうかな、とかなんとか、色々と思っちゃったりたりたりちゃったり、たりたりしている。


5分×3セットだと思われるものを、今は聞いている訳だが、こちらは喋る役割を与えられていない、完全な聞き側になっての、あと10分間だから、それはもう、休憩のようなものだと、捉えたっていいくらいの、ものだろう。


意外と楽なのかもしれなくて、これなら、なんとか心は普通に楽になりそうで、作戦会議とまではいかないが、この時間で、ウインナー補給と、これからの展望みたいなヤツをすることができて、これから彼女が寝るまでの、リピートライフを有意義に過ごせるかもしれない。


この状況が好きになったわけではないのだが、好きか嫌いか、究極の選択を迫られた状況ならば、迷わず、とはいかないものの、迷って迷って、迷いに迷って、最終的には、長尺リピートを好きと言ってしまう方の人間だろう。


好きな曲なら3回と言わず、100回とか平気でリピート出来るから、それと同じだと思えばよくて、そう、思えてきたから、今こんなに楽に聞けていて、おいしいものをおいしいと思える心も、取り戻すことができたんだと思う。


BGMのように聞けばいいのだ、BGMのように聞けばいいのだ、BGMのように聞けばいいのだ、と頭の中で言って、お弁当を食べ進めていたが、『楽』という漢字を書くときの、ペンの躍動感について、気になり始めてしまい、特に斜めの線のときの躍動感が気になって、そればかり考えた。


ウインナーを食べ終わり、2回目の5分間と、3回目の5分間が終わったので、次の行動を待っていると、4回目の5分間が始まってしまい、唐揚げ3かじり⇒米3頬張りのリズムで、5分間を乗りきって、乗りきって乗りきって、やってろうと思った。


1回目の5分間でも、2回目の5分間でも、文言は覚えられなかったが、3回目から、スッと言葉が入ってきて、もう4回目は、同時に口から言葉を発してしまっていて、また聞きたいとさえ思うような境地へ、行ってしまっていて、手紙を何度も読む人の、気持ちが少し分かった。

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