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#61 警察

ショッピングセンターに行くことになって、特に変わったことはなくて、彼女は僕にそれほど興味がないみたいで、寂しくもあったけど、雑貨屋さんに来て、電気を使わない加湿器が気になって夢中になってしまい、ずっと彼女の心配ばかりしてきたから、こんなことは久しぶりだ、みたいに思ったのが昨日だから、今は次の日だ。


今日はいつもより清々しく起きたのだが、清々しくと書いて、スガスガシク、と読むのではなく、僕はキヨキヨシクと読むことにしていて、スガスガシクは、ハレバレシクにすこし近いけど遠いみたいに使っているけど、キヨキヨシクは、もっともっともっともっともっと、上の感じだ。


今日の今という時間は、リラックスして臨めそうで、すごくリラックスできそうだなと思っていたのに、スラックスという、リラックスに似た言葉が、頭のなかに出てきてしまい、その言葉がよく知っているものなら良かったものの、よく知らないものだったから、今はもう、考えて考えて、かなりかなりかなり疲れかけている。


起きると、僕がテーブルに置いていた睡眠薬を、彼女が見ていて、置いたままだったか、置いたままだったか、置いたままだったかと、思ったが、どかすことはできないので、普通を装って、普通を普通に演じて、普通普通と念じながら、普通にした。


眠らせようとしたときに、置いたままだったかと後悔したが、どかすか、と思ったときに、どかすか、と今の彼女の前のめりさを重ね合わせてしまい、ずかずか、みたいな意味で、ドカスカドカスカ、という言葉を使っている自分がいて、ワッとなった。


彼女は少し真面目で堅くて、今回のキャラはかなり堅いな、と思っていて、硬さという面に置き換えたとき、一番今の彼女のキャラと似ている硬さは、乾燥させたモチとか、モチとかモチとかモチとかモチとかモチとかモチとかだろうけど、もう、乾物全般もそうだろう。


これは睡眠薬ですか?と聞いてきたから、【そうです】と、『この、耳がすこし大きくて、鼻が長くて、ずっしりとした動物は、何という名前なのですか?』と聞かれたときみたいな感じで答えると、メモをし始めたので、『鼻の長い動物は象』とか、色々と書いているのだろう。


まるで、警察が職務質問するみたいに次々と、僕に彼女は質問をしてきて、嵐のように質問をされて、僕がもし、苦痛を与えられたら鼻が伸びてしまうような人間だったら、このままでは、象よりも鼻が伸びてしまうだろうから、はやく終わってほしいと願った。


睡眠薬について、僕は警察官風にやっている彼女に、それは彼女のもので、少し使わせていただきましたと言ったけど、警察官という漢字の、「警」という漢字は、ギュッとなりすぎていて、デジタルの文字にするなら、タテ2行くらい必要なほどヨコ線が多い文字だから、下の「言」の部分なんて、ヨコ線が見にくすぎるなと感じた。


勝手に使っていいと思ってるんですか?と言われて、勝手に使っていいか、勝手に使ってよくないか、考えたら確かに、勝手に使っていいわけはなくて、勝手に使ってはダメで、結論、謝らねばならぬ、アヤマラネバナラヌ、アヤマラネバナラーヌ、と真剣に思った。


彼女が怖くて眠らせようとしたと、僕は正直に言ったけど、彼女は表情を変えずに、【警察官】という言葉の、【警】という漢字の、下の部分の潰れた【言】という漢字くらい、僕の心はぺしゃんこになっていた。


聴取したことを、彼女はメモしていて、彼女がメモしてるな、とおもったのだが、慣れるということが一番怖いと感じることに慣れ始めたのは、つい最近のことかもしれない、と思ったり、思ったり、おもったりたり、おもったりたり、おもったりたり、した。


彼女へ僕は、今は、何も怖くなくて、全然怖くなくて、変なあなたも楽しめると言った、正直に言った、素直に言った、これは正直な想いだと思いながら言った、思いながらというか、本心だから、普通に普通にごく普通に、真のココロ音を吐いた、ということだ。


ハイくらいしか言わずに、無表情で紙に向かう彼女は、まるで、いつかどこかで見た、無表情で紙に向かう誰かに似ていて、そのときの曖昧な記憶がうっすらと、頭に滲み始めたが、そもそも思い出す必要のない記憶だから、その記憶をクシャクシャにして、30メートル先にポイした。


今日は、なんだか演技をしているようにも見えてきて、彼女が演技をしているようにも見えてきて、ちなみに僕は、【演技】をエンギと読めずに、トラワザと読んでしまったことがあるが、演技については、やや分かっている方だと思う。


すると、警察キャラであるはずの彼女が、かわいい彼女に戻って、やさしいハグをしてくれて、本当の警察官は、こんなことはしてくれないよな、とか、警察官では無い気もしてきたな、とか思い始めたりしながら、ハグを全身で、楽しんで楽しんで、楽しんで楽しんで楽しんだ。

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