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#55 エセ関西人④

洋服屋でヒョウパーカーを見つけて、店主のオジサンみたいな人が、半額でどうだ?みたいに言ってきて、半額にしちゃうちゃうちゃうしちゃうちゃう!という、予想していた言葉ではない言葉を言ってきたけど、半額にはしてくれた、そんな出来事の後が今である。


早速その場で、彼女はパーカーを着ていて、飄々としている性格の彼女が、ヒョウのパーカーを着て、飄々さを増している光景はすごくて、パーカーを着たバーカ、みたいなマイナスのディスる言葉は思い浮かばず、プラス言葉がわんさか出た。


パーカーって、フードがパーカパーカするねって言ってきて、彼女がそう言ってきて、確かに上下運動とか、激しい動きをすれば、動かなくもないけど、駄洒落としての面白さや、質に関していうと、あんまりで、あんまりで、あんまりだった。


僕もパーカーが着たいくらい、寒くなってきて、それは異常気象によるものでも、異常で稀少な彼女のスタイルの良さから来るものでもなく、彼女の駄洒落から来るものだと、すぐに気がついたが、暖かくしないでも、次第に凍りつきは消え去ってゆくだろうと思う。


しつこいものが苦手で、何回もツクツクボウシ、ツクツクボウシと繰り返すから、ツクツクボウシは苦手かもと思っていたけれど、後半になって音が変わって、ニーヨーイ、ニーヨーイみたいになるから、まだ好きな方に入ると感じていて、今、彼女は僕に、愛知は関西か?関西か?と聞いてきたのだが、そのセンスは、好きな方に入っていると思う。


もう、エセ関西人キャラだと決まったけど、バカが上乗せされてるなと感じていて、今はバカエセ関西人になっていて、このままいくと、アホボケバカエセ関西人へと、フォーランクくらいランクアップして、最終的には、殿堂入り的ポジションを確立しそうだ。


僕は、関西人、関西人と脳でリピートしていたのだが、リピートをしていたら、彼女に貸したお金が完済されたか気になってきて、それは四桁ではあるが、六桁くらいの気持ちで貸したので、返されたか返されてないかは重要なことだが、たぶん返されただろう。


彼女が、扇風機と同じイントネーションで、愛してる、と言ってきたけど、どこかしっくり来なかったのか、訂正して、ヒョウの仲間的なポジションにいる、ピューマとトラを合わせた言葉、ピューマトラのイントネーションで、愛してると言ってきて、ハッとなった。


うどんが食べたいと言ってきた彼女だったけど、うどんが好きとか、うどんを食べたいなんて、今までに彼女の口から聞いたことなんて、一度もない気がしていて、うーどんなに思い出そうとしても、一緒にうどんを食べた記憶なんてないな、みたいな感じだ。


うどんを食べたいと言ってきたが、濃いのが好きらしくて、濃いのが好きと、何度も何度も、彼女は連呼していて、恋の物語が好きなのは知っていたけど、濃いのが好きなのは知らなくて、たぶん今だけの、今のこのキャラだけの特性だろう。


関西は薄めのつゆだったよなと思ったけど、エセ関西人なのだから、別に濃いのが好きでもよくて、もちろん、一般的な関西人の方も、濃いのが好きでも、何にも心配はないから、そこを深く掘り下げなくてもいいなと、そんなことを思ったりしていた。


うどん屋に入ると、小さい声で、まいど!と言っていて、店員さんではなくて、お客として入った彼女の方が、そんな言葉を発していて、常連なのか?、常連に憧れているのか?、とかとかとかとか、色々なことを考えたり考えたり考えたり考えたり、してしまったのだった。


うどん屋に、初めてきたようなリアクションを彼女はしていて、うどん屋のメニューを見ている彼女を見る限り、このうどん屋も、すべてのうどん屋も、初めてきましたみたいな感じだから、たぶん初めてなのだろう、だから、まいどの意味が迷宮に入り込んだ。


店員に天ぷらそばを頼んでいて、彼女がなぜか、うどんが食べたいと言っていたのに、天ぷらそばを頼むという暴挙に出て、こちらはパニックを通り越して、パックニー状態になっていて、もちろんそんな言葉はこの世にないのだが、なんかノリで作りたくなるほど、今のパニック度は高かった。


そばかい!と咄嗟にツッコミをしてしまった僕がいて、エセ関西人の彼女よりも、やや鋭い関西色を、放ってしまっている僕がいて、僕の方が関西キャラが向いているかもしれないなと、少し思ったりなんかしちゃったり、してしまった。


彼女はそのツッコミに、納得するように何度も首を縦にゆっくり振っていて、それが、負けたよ完敗だよ、ツッコミが秀逸すぎるよ、流石だよ、あんたこそが、真のエセ関西人だよ、みたいなことを表しているのか、その程度か?という内容を表しているのかは、全く分からなかった。

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