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#54 エセ関西人③

外に出ることになって、不安で不安で、エセ関西弁は外で通じるものではないし、値切りをやられたらどうしようもないな、みたいに考えて、関東人関西色はもう出さないでくれと願い、ただ可愛すぎる彼女だから値切りは容易か、みたいに思った後が今である。


外では、かなり大人しくなってしまって、暴れ馬みたいなものから、のっそり牛みたいなものに変わってしまったような、よく分からない感じの例えだけど、イメージはそんな感じで、そのくらいの差はあると思う。


人混みで、関西色を出せる人ではないらしくて、外で外の空気と、人の目線を浴びている今の彼女は、どちらかというと、出会った頃の彼女に似ている気がしていて、出会った頃の彼女を思い出して、少し笑顔になった。


ビルの中のお店に入ると、ペコペコがずっと続いていて、店員さんが見ている間はずっと、首を縦に振っていて、さきほどは、暴れ馬みたいなものから、のっそり牛みたいなものに変わってしまったような感じだな、みたいに思ったが、もう、あかべこという他ないくらい、あかべこだ。


試食したものを、気を使って買うほどで、抹茶のジェラートのかなり量が多めのものを買ってしまい、急いで食べたため、口の中にできた何かに染みたり、色々とあって、悶え悶え悶えに悶えて、普通の人が溢れて溢れて溢れまくっていた。


これぞエセ関西人だというくらい、十言に一言だけ語尾が関西で、好きです、に無理矢理[ねん]を付けたり、何でです?の後ろに、少し間を開けて、思い出したように、[ねん]を付けたりと、無理矢理感が、見ていて胸に残った。


無理しているのだろうと思い、無理してない?と彼女に言ったけど、そういうキャラなのだから、たぶん無理しなくてはならないと思っていて、そういうキャラなのだから、それは仕方がないと思っているに違いなくて、こんなこと言うべきではなかったと、後悔した。


すると、笑いながら思いきり肩やら、腰やら、頭やらを叩かれて、それは素かなと感じて、全然追い込まれてなくて、エセ関西人をゲーム感覚でやっている人、みたいに捉えてみれば、彼女はイキイキしているように、見えなくもないなと感じた。


今は商店街にいるのだが、目の焦点が今は合っていなくて、商店街で焦点が合わないとか、思っているけど、もしもそれをここで、彼女の真ん前で、彼女に向かって言ったとしたら、本場っぽいツッコミが放たれるのだろうか。


衣服関係のお店で、ヒョウが描かれたパーカーが欲しいと言われて、ヒョウか、ヒョウか、ヒョウかと、エセ関西人の彼女がヒョウを選んだことを評価するか、評価しないか、ずっとずっと悩んだり、悩まなかったりしていた。


パーカーを選んだ時点で、なんか違うことは分かっていて、関西人の人々がパーカーを好きとか嫌いとか、そういうことは関係なしに、パーカーのイメージを関西の人に見出だすことが、あまり出来ないよなと、感じただけだ。


パーカーに、ヒョウの絵を求めたことがないから分からないが、これがオシャレなのか、オシャレではないのか、オシャーなのか、オシャーではないのか、これがオッシャーレなのか、オッシャーレではないのか、よく分からなくてよく分からなくて、みたいなそんな状態の今である。


ヒョウ柄ではなく、ヒョウの絵じゃないとダメみたいで、探して探して、店の右奥から右手前まで、ホント、店の右奥から右手前までの隅々まで、僕も探して探して探して探して探して探して、さがしたけど、チーター柄みたいのしか見つからなかった。


洋服屋でヒョウパーカーを見つけて、これ欲しいと言ってきた彼女だったが、それは正真正銘のヒョウパーカーで、100人にこれはヒョウパーカーですか?と聞いたら、99人が[はい。これはヒョウパーカーです]と答えるくらい、しっかりとしたヒョウパーカーだった。


店主のオジサンみたいな人が、半額でどうだ?みたいに言ってきて、半額ってあの、値段が半分になるあれか?、あの、お財布から全部出ていく予定が、半分も残ってくれるあれか?と、ずっとずっと考えてしまっていた。


『半額に、しちゃうちゃうちゃう、しちゃうちゃう!』という、予想していた、カエルをテーマにした早口言葉によく似た感じの値引きフレーズではなかったが、半額にはしてくれたので、良かったと思っていて、買ったパーカーをこれからもう、すぐに着そうな勢いを、彼女から感じた。

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