#48 思ったこと全行動③
彼女のこだわりのハンバーグが出来上がったみたいで良かったけど、もしかして誕生日用のハンバーグかなとか、コレだけのものをこんな早く作るのはすごいなとか、たぶん脳内にある考えを全て出すタイプだろうなとか、それにしても朝御飯にハンバーグは流石だなとか、思ったりした、少し後が今である。
ねえねえ、体育祭の体育ってタイクって言っても、差し支えないよね?とか、彼女が突然、聞いてきたのだが、たぶんタイクと言って、なんか違和感あるなと思うのは、3333人に一人くらいだろうから、特に気にしないでもいいだろう。
周りに気を使っているのか、使っていないのか分からないところもあって、自分のために、思っていることをだだ漏れにしているのか、誰かのために、思っていることをだだ漏れにしているのか、気になって気になって、気になって気になっている。
昨日ね、デジタル時計を見たら、その瞬間が、11時11分11秒ジャストだったのよ!と言ってきて、忖度人生の、気を遣い人生の、空気読み人生だった僕からしたら、そんな、かなり面白いわけではなく、かなりつまらないわけでもなく、絶妙に少しつまらない話など、普通に出来ない。
思ったことを、全て言ってしまっているから、今の段階では、思ったこと全行動キャラという名前を、このキャラに付けようと思っているが、今まで付けてきたキャラ名は、シンプルにパッと言い切れるものなどが多かったから、正直、しっくり来ていない。
そうだ、今からボルダリング行こう?と彼女が言ってきていて、カフェ行こう?とか、カラオケ行こう?とか、ファミレス行こう?、みたいな軽い感じで、気軽に、濁音が3文字もある、『ボルダリング』という言葉を口に出来るなんて、すごいと思った。
テレビを見て、中度の確信は、超確信に変わったのだが、今、テレビでは、ボルダリングのCMが流れていて、今テレビで、ボルダリングのCMが流れていたから行きたいと言ったのか、今テレビで、ボルダリングのCMが流れていたから行きたいと言ったのかとか、8回から9回くらい思ったりした。
本当に、今、ボルダリングに行きたいと、思い付いたのだろうから、恐ろしくて、考えるという作業をこれでもかとして、考えて考えて考えて考えて考え抜いて、しっかりと意見を固めてからでないと動けない僕とは、大違いだ。
急に予定を入れてくるのは、前にもあったかもしれないけど、今回は何か、何かが前とは違っていて、前の彼女が、予定の『予』だとすると、今の彼女は、予定の『定』みたいに、しっかと地に足付けているみたいな感じで、何かが違う。
楽しみだな楽しみだな、と言いながら彼女は駅に歩いていて、楽しみだね?と言ってくる人はたまにいるだろうけど、楽しみだなと、ひとりごとを言う人はあまりいなくて、でも、僕も正直いうと、楽しみだな楽しみだな、楽しみだな楽しみだなと、心で思っている。
どんなんだろうなボルダリング、と言いながら電車の席に座ってゆく、彼女がいて、確かに、一度登ってみないことには、感覚がどういうものなのか、分からないから、どんなんだろうと、思うのは普通の中の普通のだろうと思っているけど、口に出しているから話は別だ。
やはり、外でもベタベタにくっついてきて、これでもかこれでもかと、くっついてきていて、『やりたいこと、やりたいだけ、素直にやればいいじゃないか』みたいに考えていようと、考えてなくとも、彼女のベタベタはスゴいので、周りがかなり気になった。
僕に向かって、本当に可愛いなヤバいなヤバいな、本当にヤバいな、と言ってきて、心のどこかで、外では抑えてくれるよな、とか思ったりしていたが、大きな声で言っていて、外でも言うかい!と、こちらは思ったのだが、たぶん、周りの反応からして、僕も、口に出してツッコミをしてしまったっぽい。
ボルダリング会場に着いたが、すぐに登りたがっていて、相撲でいうと、四股もふまないで、塩も撒かないで、流れで立ち合いをして、ぶつかり合って、投げ飛ばす、みたいな感じだから、それは、あり得るか、あり得ないかでいえば、かなり有り得ないことだ。
我慢できない彼女の感じは、イライラというよりは、可愛いだったけど、昔、小学生の頃に、イと書いたのに、【ト】だと思われたり、ラと書いたのに、【う】だと思われたりしたことがあり、そのときの、モヤモヤ感みたいなものは、しっかりと与えられてしまっているような気がする。
壁を登り始めた彼女は、高いなとか、怖くわないなとか、本音を言っていて、その、ボルダリングに対する本音のなかに、なぜか、僕に対する【大好き】も紛れていて、サブリミナルとかいう感じに似た感じで入れてきたな、とか思ったりした。




