#43 せっかち②
洋服を着替えるために、違う部屋に行った彼女だったが、電気のスイッチを押しても押しても、押しても押しても、電気がなかなか付かなくて、イライラしてイライラしてイライラしていて、その部屋の明かりがつくと、そこには、しっかりと畳んである洋服がきちんと用意されていて、コーディネートしてあるものが事前に用意してあるんだな、やっぱりせっかちタイプの事前準備タイプだなと思ったすぐ後が、今である。
体感では30秒くらい、扉がしまっていたのだけれど、たぶんもっと少なかったかもしれなくて、それくらい、本当にあっという間というか、いっという間というか、うっという間というか、えっという間というか、おっという間というか、刹那的に時間が過ぎたのだった。
すぐに着替えて、彼女が出てきて、車のカギを指でクルクルしていて、車に向かおうとしていたが、その移動方法は早あるきで、競歩の選手には及ばないが、おばちゃんの自転車くらいは抜けるかもしれないと、思うくらいのスピードだった。
彼女のせっかち世界を、もしも何らかのミスで、乱してしまうことがあったなら、このあとのキャラに支障が出てくるかもしれないから、こっちは、ごたつかないことだけを考えて突き進むしかない、そう思ったから、ごたつかないことだけを考えて突き進もうと思う。
ごたつきと、もたつきは、彼女を怒らせるから絶対しない、ごたつきと、もたつきは、彼女を怒らせるから絶対しない、そう思っていて、ちなみに、似た雰囲気の言葉の、ごろつきとは、一定の住所や職業をもたないで、盛り場などをうろついてゆすりなどの悪事を働く人のことをいうらしい。
彼女が運転する車に乗り込んだはいいが、彼女の運転に不安しかなくて、クラクションを何度も鳴らしたりしないか、クラクションを何度も鳴らして、トラブルになったりしないか、それだけが心配で、スムーズだけを祈っていた。
エンジンをかけて、すぐに発進してせっかちだなと思ったけど、信号待ちの先頭で、まだ青になるまで時間があるのに、ゆっくり動き出してしまうようなことはなく、ルールには、まあまあ従うタイプで、安心はだんだんと増えていった。
レストランに近づく度に、せっかちな彼女も近づいて来ているように感じて、車に表示されている時計を何度も見ている彼女がいて、たぶんそうではないと思うが、車の運転でも、最短の道路走行の位置取りで、走っているような気がしてきた。
レストランに着くと、素早く店の自動ドアに一直線に早あるきをしていて、位置取りは完璧と言っていいもので、まるで磁石か?磁石に吸い付けられているんか?と思わせてくれるくらい、スムーズだった。
しかも、彼女は右手を前に出して、自動ドアの反応を早めようとしたというか、歩くスピードを落とさず、スムーズに店内に入っていきたい欲が強すぎていて、せっかちモンスターと呼ばずになんと呼ぶと、心のなかで思っていた。
着いて、席に通されていくと、二人分の料理がもうテーブルに並んでいて、熱々そうで、まだ湯気がキレイに上がっていて、これは直前に出来上がったやつだな、店側はかなりのプロだなと、かなり強めに思った。
一息もついていないというのに、もう用意されていたビールをグビグビ飲んでいて、彼女ってビール好きだったかなと思ったりして、他のキャラではビール好きになる場合もあるから、他のキャラと素のキャラを勘違いしているのかなとか、色々考えすぎて爆発しそうになった。
待たずに済んだけど、この先どうなるのか?10分で食事完了みたいにならないよな?、とか色々と考えてしまって、これからの食事を有意義に進めることが出来るのか、という不安とか、有意義って言葉を使ってはみたものの、詳しい意味は分からないな、とかいう不安とかが押し寄せてきた。
食事時間はきちんと設けてくれるのかは分からないけど、お参りをするときに、神様に礼を何回かするのではなく、ペコペコペコペコ何度も何度もしてしまう癖がある、そんな僕の、お腹のペコペコを十分に解消するくらいの時間は、設けて欲しいものだ。
しっかり噛んで食べてほしいけど、彼女は、噛んだか噛んでないかくらいの、口に入れてすぐのものを飲み込んでしまう場面もみられ、ダメかダメなのか、僕は足の親指の毛の先端が親指に刺さったことがあるけど、そのときくらいの絶望だな、と思った。
彼女は、僕と喋りながら電話で誰かと喋り始めていて、ひとりと喋っているのに、もうひとりと喋りたいなんて、せっかちの上をいく、すっかちとか、しっかちくらいのヤツかもしれなくて、へたすると、さっかちになってしまうかもしれない勢いだな、と思った。




