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#41 イエスマン④

アンケートスタッフみたいな人に、紙とペンを渡されたのだが、アンケートは苦手だなと思ったりして、あとアンケートなんて、一番イエスマンの人に渡してはならないものだろうと思ったり、彼女は、全てのアンケートの項目に、イエスで答えるに決まっているだろ、みたいに思っている状況が今である。


彼女がペンを持ったまま固まっていて、イエスマンが固まることがあるのかとおもったりして、そんなことを思ったりしたけど、イエスマンもイエスマンなりに、色々考えているんだなと、おもうことにして、ずっと待って待って待ちまくっていた。


どうやら、アンケートを全て読んでいるらしくて、アンケート用紙に書かれた文字を隅から隅まで、見逃すことがないように、丁寧に丁寧に、もしかしたら丁寧じゃないかもしれないが、とにかくしっかりと読んでいた。


もしかすると、一気に読んで、一気に片付けようとしているかもしれなくて、たぶん効率を考えると、これが一番いいと思っていて、僕は塗り絵が無性にやりたくなるときがあって、すぐ目が痛くなるからすぐやめるけど、彼女はこのアンケートを途中でやめることは絶対ないだろう。


すべての質問を読み終えたみたいなので、これから怒濤のイエス欄チェックが始まるだろうけど、スピードを出しながらも、正確に四角に、カタカナの【レ】のようなチェックをおさめていくのは、簡単ではないから、大丈夫だろうか。


こちらも、彼女を気にしつつアンケートに答えようとしていて、読んだ限りでは、商品についてのアンケートだから、彼女も忖度するに違いないと思っていて、その点を踏まえても、全てイエスに付けるのが妥当の世界だろう。


案の定、素早い感じでチェックをつけていって、【レ】を書いた後に、無駄なく次の四角に進んでいて、【レ】というのは、一旦上に戻ってから、また次の下にある四角を目指さないといけないという、困難を含んだものだが、上手く出来ていた。


でも全部、どちらでもないにつけていて、イエスじゃないんかい!、イエスマンじゃないんかい?、とかなり思ったりしてしまって、疑問がかなり溢れていたが、冷静に考えれば、直接、人と話しているわけではなくて、そのアンケートを持ってきた人も、そんなにそのアンケートと深い関係があるわけではないかもしれないから、それがこの状況での一番のアンサーだろう。


イエスマンキャラだと思っていたけど、違うのかと、また迷ってしまっていて、パニックの10歩手前くらいにまでは来ていて、イエスマンの本来のあるべき姿ってどんなものだろうと、考えることばかりしていた。


彼女になんで、アンケートのほとんどの回答を、どちらでもないに付けたのか聞いてみたけど、ここには明日から僕が生活していくための、すべての要素が詰まっているから、しっかりと耳たぶを突っ立てて聞こうと思う。


彼女が言ってきたのは、食レポの人がハンバーグを食べて、ジューシーです、と言う確率とほぼ同じくらいの確率で出るだろうと思っていた、一般的な答えの【どちらでもないにつけたのは、どちらでもなかったから、どちらでもないにつけた】という、早口言葉的なまともな回答だった。


どうやら僕に対してだけ、イエスマンになるみたいで、他の人と接していても、たぶんイエスマンにはならず、ノーマンにもならず、普通マンになって、普通な行動をするのだろうと僕は今、思ったりしちゃったりしている。


僕も改めて読んで、素早くアンケートに答えてみたが、彼女の気持ちがかなり分かるようなアンケートで、彼女の気持ちがかなり分かるなぁ、彼女の気持ちがかなり分かるぁ、と思いながら、アンケートを書きすすめた。


これは、どちらでもないな、どちらでもないよな、と、いっぱい思うように作られたアンケートで、どちらでもないに付けざるを得ない、どちらでもないに付けさせるために作られたようなアンケートだった。


アンケートを終えて、彼女に、ご飯にしようか?と聞いてみると、ハイと答えてきて、アンケートアンケートアンケートアンケートと、アンケートという言葉ばかり頭に浮かべていたせいか、餡系統のスイーツが食べたくなってきた。


アンケートの記念品で貰った、バッグインバッグインバッグみたいなやつを鞄にしまって、バッグインバッグインバッグインバッグにして、ゆっくりと歩き出したけど、アンケートを目的にこのショッピングセンター的な場所に来ました、と言っても違和感ないくらい、充実したアンケート時間だった。

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