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#30 探偵②

何よこれ?と言って透け透けのランジェリーを彼女が掲げてきて、それは彼女がセクシーキャラだったときのもので、僕がずっと預かっていたのだが、過ぎたキャラのことを彼女は忘れてしまうので、捨てておけばよかったと思った、続きが今である。


彼女に、『あなたが酔ったときに穿いて脱いだものだ』という苦しい言い訳をしてみたけど、たぶん信じてくれる訳はなくて、シャワ一を浴びているときに、ふと床を見たら、バク天をする前の、膝を曲げて手を前に出したみたいなカタチをした髪の毛が、揺れながら排水口に流れていったことがあって、そんな作り話のような本当の出来事くらい、信じてくれないだろう。


『確かに、サイズはいい感じだけど』みたいなことを延々と繰り返す、みたいな変な感じのヤツで彼女に返されて、紙に絵を描いて、まわりをひとりずつ片手で破いていって、絵が描いてある部分を破いた人の負けみたいなゲームやりたいと、彼女に言われたときよりも不気味に感じた。


あっさりと、そのランジェリーは諦めて、新たな浮気のブツを探し始めたけど、彼女はなぜか、そのランジェリーを、ぐちゃぐちゃに丸めて、左手のひらの中に収めながら、という探しづらい状況で、浮気の証拠を見つけようとしていた。


どれだけ証拠を見つけたいんだ、というような、素早い引き出しの引き出し方をしていて、『左手のなかランジェリー状態』にもかかわらず、様になっていて、南瓜が5秒以内に粉々になる機械とか、片手でコードが止められるクリップとか、一日分の野菜が取れる彩り野菜の缶詰とか、欲しいものがたくさんあるけど、このような彼女の技術もほしいと思った。


すると、手が止まって、何かを持ってこちらに掲げたのだが、僕は、高速ダンスの振り付けをもしも、初っぱなから間違えたとしたなら、そこからずっと動かず、仁王立ちして音楽が終わるのをじっと最後まで待つタイプだから、今もヘタに何も言わずに行動せずに、相手の動きを待った。


それは、ピンク色をした色付きのリップクリームで、「それは、ピンク色をした色付きのリップクリームだ」と思ったが、僕がそれを持っている理由は明らかになくて、女性しか持っていないようなものを、僕が持っている時点で、負けたような気分は拭えなかった。


それは、10本もあって、明らかに怪しかったけど、また、彼女酔っ払い化作戦を実行して、彼女は、酔っ払うと必ずこのリップクリームを買ってきて、僕にくれるという人に仕立て上げれば、簡単にこの立場から逆転できるのではと思い、それを実行しようかと思っていたが、少し弱いかもしれないと思った。


そのリップクリームは、熱しやすく冷めやすいキャラの時の彼女が、かなりかなりかなりかなりハマったヤツで、熱しやすくて冷めやすいと言えば、鉄とかになるだろうけど、鉄って漢字は金欠の漢字なんじゃないかとか、余計なことを考えている僕がいる。


それらのリップクリームは少しずつ、色や香りなどが違っていて、彼女がその熱しやすくて冷めやすいキャラのときに、付けては放置して、付けては放置して、付けては放置してを、何度も何度も何度も何度も何度も繰り返したのが、この問題の発端だったんだよなと思った。


そんなことを彼女に言っても、今のキャラになりきっている彼女が、信じてはくれないだろうと思っていて、水銀の体温計を一度落としてしまってから、脇を締める癖が抜けない僕は、今、彼女に、浮気をしているから肩辺りを中心に強ばっているんだろう、と思われているに違いない。


彼女がその時、酔ってしまっていて覚えていないんだよパターンは、今の彼女にはもう使えないだろうし、MRIって言葉のカタチが、草むらを歩く人と、その後ろを歩く背の高い人見たいに見えるよね、みたいに言っていた彼女だから、もうどんなキャラになっていたって、何の手段も使えない気がする。


科学の力なら、証明はできそうだけど、時間は掛かるだろうと思っていて、ショウメイと読む漢字の【証明】【照明】【正銘】の言葉の意味を全てしっかり把握する時間よりも、それは難しいものになるだろうと思っている。


何を聞かれても、これはあなたのものだ、これはあなたのものだから、これはあなたのものに間違いない、あなたのものだ、あなたのだ、という言葉を繰り返して繰り返して、ヤバイヤツだと思われようと、繰り返して繰り返して繰り返し続けた。


これは証拠として弱いと思ったのか、リップクリームから目を逸らして、また引き出しの引き出しを再開していたが、動揺しているのか、それとも脳内でロックンロールが爆音で流れているのか、首を振りながら少し乱暴に、彼女は引き出しを引き出し続けていた。


ついに、僕のスマホに目をやり、今から見るから渡してくれという表情をしてきたので、渡したけど、その中のメモには、彼女のキャラ対策のメモがびっしりと書かれているから、彼女がそれをどう捉えるかで、これからの人生の良し悪しが決まるだろう。

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