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#24 計画的④

計画的な彼女のキャラからは、車内に移動してから少し遠のいたけど、今度は愚痴やらエピソードトークやらを垂れ流し続けていて、息抜きが出来なくなっていて、非常に非常にかなりかなりかなり困っているのが今である。


もしかしたら、愚痴の項目も数も決められているのかもしれない、みたいに思ったら、全てが決められている気がしてきて、どれが決められていなくて、どれが決められているのかが、ゴチャゴチャになってゴチャゴチャになって、変な感じだった。


愚痴プログラムが載った冊子は、貰ってないけど、たぶんあるだろうと思うしかないほど、構成がしっかりとしていて、『ボウルに10個以上の卵を割り入れた状態は、目がたくさんある気がして怖くて、大量生卵恐怖症かと思っている僕』でも、今の彼女の不気味な二つの目の方が遥かに怖かった。


段々、彼女の喋るスピードが早口になってきて、愚痴の時間が押してるのだろうかとか、色々と考えてしまったりしたが、そんなことを考えている暇はなく、愚痴をちゃんと聞いておかないと、のちのちに愚痴クイズがあるかもしれないなと思ったりしていた。


車で走る道順は指示していないから、カーナビは信頼しているのだろうけど、カーナビに頼れるココロを持ち合わせているのなら、ぜび彼氏の僕を僅かでも労るココロを見せてほしいものだと、思ったりなんかしている。


今日は珍しく、車の中では何のどんでん返しも、何の衝撃展開もなく、相槌だけしていれば何とかなってきていて、そんな今日の彼女らしくない、平々凡々というべき展開が流れ、本当に本当に何もなく、もうすぐ着きそうだ。


着いたら、もう立ち止まることも出来ず、激流に流されるような、早すぎる展開が待っているだろうけど、『本当に?と聞かれたとき、少しだけふざけたい場合は普通に「そうです」と言うのではなく、上の歯と下の歯を離さないように「そうです」と言えばいい』みたいな技は、彼女には通用しないから、普通に楽しもうと思う。


水族館に入る前に、また紙を渡されたのだけど、今までの流れからいって、もうそれがどんなものなのか分かっていて、もう何が書かれていて、どれだけ細かいのかも分かっていて、それをまだ見ずに、手でそっと掴みながら、水族館の順路を進む準備を整えた。


その紙は今から見る動物やら、魚類を見る順番や、見る時間が秒単位で書かれていて、自分がもし5人組アイドルグループの一員だったら、衣装は袖あり長ズボンで装飾なしの、シンプルで目立たない担当になるだろうな、なんていう考えはすぐぶっ飛んだ。


たぶんその時間配分は、満足できるギリギリの時間配分なのだろうけど、こっちもそんなギチギチに縛られたら、いつの日か食べた魚やら魚やら貝やらを一気に吐いてしまうということも、起こらなくもないから、やめてほしいと心から思っている。


水族館の全体図を調べて、入念にシミュレーションしてきたのだろうと思っていて、そうなってくると、ひとつの疑問が浮かんできて、それは、彼女のこの計画的すぎるキャラは今日始まったばかりなのに、今日という日にはもうギチギチに予定がたまっているということだ。


僕が寝ている間とかに調べない限り、調べる時間がないのだけど、あの計画表はヤバイほど細かい計画表で、かなりの妄想を繰り返さないと、こんなすごい予定表は出来ないなと思うくらいの、計画表であるのだ。


彼女は写真を撮ることなく、動物たちや魚たちを瞳に焼き付けているみたいで、明日以降の違うキャラに変わってしまった時の彼女の心のなかに、この可愛くて美しくて愛おしい風景が、どれだけ残るのか、それが心配で仕方なかった。


常に僕は時間を計るためにタイマーを見ていたのだが、それは、急にタイマーを渡されて、特に詳しいことは言われずに、状況を見て察して、たぶんこうやればいいんだと思い、自ら行った行動だから、特に何にも思わない。


お魚たちを楽しむ余裕なんて全然なくて、【部屋の壁に穴を絶対に開けないぞと最初は思っていても、何かの間違いや、故意ではなく壁が傷ついてしまった場合、そこからまあ穴を空けてもいいかと思うようになって、プスプス開けちゃう心理】それに今は、なりそうな気がする。


彼女に、時間だよ!次の動物の時間だよ!と言っても、あと一分!あと一分みたいに言われて、完全に予定をぶっ壊していて、そんな彼女の人間感が可愛かったのだけれど、一番値段の違いで品質の違いがしっかりと実感出来るのは、ティッシュペーパーだと最近思い始めていて、一番性格の格差があるものは、彼女だと思い始めている。

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