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#23 計画的③

計画的なキャラになって、苦しんで、出掛ける時間がもうすぐそこなのに、予定表という紙切れには、あと4項目も出掛ける前にこなさなくてはならないヘビーな作業があって、肩を落としてしまっているのが、今の状況だ。


もうキチンとした支度をしたつもりで、もう何もすることはないはずなのに、何か紙をもう一枚渡されて、僕は扇風機が首を左右に振ることなく、ずっと一方向に回り続ければいいなと思っているけど、それと同じくらい、普通の彼女と一緒の世界で、地球がぐるぐる回り続ければいいのにと、感じていた。


そこには持ち物リストが書かれていて、凄く細かく、すごく細かく、すごく細かく書かれていて、チェック表を設けて、その項目に無理矢理はめ込まないと、やりたいけど面倒くさいと思っている作業は、一生出来ないタイプである僕でさえも、引くようなものだった。


それらの持ち物をお出掛けに持っていって、私を助けて欲しいということらしくて、ワガママという言葉がピッタリのワガママな彼女だなと思っていたけど、袋のなかが縦に四つに分かれていて、四種類のポテチが一気に味わえるお菓子が欲しいと思っている僕も、同類だ。


急いでカメラやら、ハサミやらを持って準備を終えたのだが、カタカナ三文字のものばかりリストには書いてあるな、ということに気付いて、何かこのリストに、謎解きやら、縦読みやらが隠れているかもと思い、調べてみたけど、ごくごく普通のリストだった。


時間はどうやらズレてはないらしく、指示を出す彼女の指示能力が優れているのか、僕の選手としての対応能力が優れているのかは分からないが、とにかく僕と彼女の相性は最高だということは、紛れもない事実であろう。


次に、また違う紙切れを渡されて、また違う紙切れを渡されたのかよ、また違う紙切れを渡されて困っちゃったよ、また違う紙切れを渡すってどれだけ几帳面なんだよ、こちらから几帳面チェック表を彼女に渡してあげたいくらいだよ、みたいに思いながら、彼女の指示に従った。


そこには戸締まりと、冷暖房器具や電気やガスの確認などが書かれていて、ありとあらゆる窓と窓のカギを視覚と触覚で確認して、ありとあらゆる電気機器を、視覚と触覚でしっかりと確認して、十分すぎるな、これは十分すぎてやばいな、10分過ぎたのではなくて、じゅうぶんすぎたよな、10分過ぎたら大変なことになってるよ、みたいに思いながら、彼女のいる場所に歩いた。


全ての準備を整えたが、まだ出掛けてもいなくて、紫色ってムラサキっていう名前がしっくり来るよね、みたいな簡単な会話とか、簡単な状況ばかり今は欲していて、明日が来たら、明日の空気を思いっきり息を吸い込んでやろうと思っている。


会話も少なくなり、少なくなればなるほど、息が詰まっていき、【学校のテストなどの記憶問題はタイミングよく脳から答えが出なくても、ただ出ればいいけど、セリフなどの文章の記憶は、タイミングよく出さないといけないから、演劇は無理】だけれども、それ以上に今が無理かもしれない。


ようやく出掛けることになったけど、楽しくはなくて、どれだけ楽しくないかというと、『目と鼻や耳だけではなく、脳も内臓もみんな繋がっているから、病原は他の箇所かもしれない』みたいなことを一日中考えて、答えが出なかった時以上だ。


これを耐え凌げば、明るい未来は来るのだろうけど、【現実にあってほしいとずっと思っていた五種類の味の串団子が一本ずつ入ったセットが近くのお店にあって、ヨシッて思った】そんな、嬉しい出来事が今の彼女のキャラの先には、見えなかった。


でも、これから押し寄せる何百もある予定作業の、ひとつでも失敗したら、明日もこの地獄の地獄の地獄の地獄を継続するかもしれないから、気は抜けないし、炭酸飲料で言うと、強炭酸がずっと続いていくみたいな気持ちでやらないと、やっていけないだろう。


順調に進み、順調すぎて怖くなってしまって、今度は車の運転を頼まれて、走り出したのだが、予定はかなり余裕があって、時間にかなりの余裕があって、渋滞の本質的な部分は理解しているのだなと、少しだけ関心はした。


一階で聞く、二階のベランダに出るドアを誰かがガラガラガラと開ける音と、雷鳴はとても似ている気がするけど、部屋での彼女と、車内での彼女は少しだけ違う印象になっていて、さすがに、車では無茶をさせないようだなと思った。


しかし、車内は彼女の愚痴を延々と喋る場になり、【外にある塀の影が窓に映っていて、その後にそこにあった塀の影の上をデカい猫の影が歩いてきて、ビックリしたんだよ】というエピソードトークやらを交えて、彼女のお喋りショーみたいのが繰り広げられていて、苦痛は止まらなかった。

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