第14話:食って寝れば牛よりも豚になるんだなぁ〜byみ■お
洞窟の外は砂埃が舞い、町は遠く遠く見えた。
砂に足を取られ前を見て歩いてるのか分からなかったが、着々と町に近づいてるのは感じていた。
砂漠には、獰猛なモンスターがいると聞いていたが、モンスターのモの字も出てこなかった。
それもその筈、辺りには何かで引き裂かれた様なモンスターの死体がゴロゴロと転がっていて、軽く砂に埋もれていた。
死体を見る限り彼の――ランドの残酷さが目に見えた。大きな魔物の近くには、小さな子供らしき魔物の死体まで転がっている。多分、親子であろう…。
いくらモンスターであろうが、子供にも手を出すなんて――。
ランドは必死だったのだろうか。クルシスランドの臭いがすると言っていたが、まだまだ大分距離がある。
ランドの鼻は、そこまで鼻が訊くのか。
狼に携わる帰想本能であろうか。
とにかく、彼は目の前で助けを求める人間を捨て、容赦なく邪魔をする魔物まで殺し先を急いだ。
それがどうだって言う訳では無いが、彼には彼の目的がある。そうクルシスランドに帰る事。
今は、そんな事を考えずにまずは目の前の事を片付けよう――パメラはそう胸に決めた。
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「よし…今日の夜にでも決行するかぁぁぁっはっはっはっ」
町で一番大きな館の広い部屋の真ん中に、盗賊の親分と思われる豚が――いや、小汚い人間が座っていた。膝の上には、小汚い猫が喉を鳴らして寝ている。
親分と思われる豚――盗賊は、猫を撫でながら大声を張り上げた。
「今日の夜、捕まえた人質達を殺して“魂”を奪う!そして、この美しいファブレちゃん(※猫の名前)に“魂”を入れて俺の嫁さんにするんだ!」
笑いながら後ろに寄りかかると、椅子が悲鳴を上げた。
「お――お頭!てぇへんです!洞窟に監禁してた人質が残らず消えたそうです!」
ドアを勢いよく開け放ち盗賊の1人が部屋に入ってきた。
「何だと!どういう事だ!!」
椅子に座っていた豚――親分は立ち上がる。その拍子に猫は、膝から転げ落ちた。
「ゴメンにぇ〜ファブレちゃん。痛かったでちゅかぁ?」
膝から落ちた猫を慌てて拾い上げ立ち上がると、子分の方に向かい会い咳払いを1つする。
「その…見張りをしていた仲間の1人が言うには、岩が突然切れ目が入ると内側からの強い衝撃に吹き飛ばされ、何も分からないまま気を失ったらしいです!」
「“何も分からないまま”だと?何でだ!相手の姿くらい見えただろ!」
「いえ…それが何も見えなかったらしいです。優一見えたのが、金色の獣みたいな腕だけらしくそれ以外には何も…」
豚は――親分は考え込んだ。
「もしかしたら、今日捕まえた2人の内1人が、何かの“魂”を宿していたんだろうな…。まぁ、俺様にかかれば何も心配は無いだろうけどな」
そう意味新な言葉を言い放つと、また椅子に座る。ミシミシミシと、椅子は普段の形とは有り得ない形になり悲鳴を上げた。
「まぁ良いわ!どうせ、この町を取り戻そうと人質を連れて来る訳だろうからなっ!」
言葉と同時に、部屋に入ってきた盗賊が突然耳を押さえ苦しみ出す。
「俺様のこの“力”があればどんな奴でも敵わないだろうな!」
親分の言葉を聞いてるのは誰も居なかった。見えない力に押し潰され、盗賊は泡を吹きうつ伏せに倒れると息を引き取った。




