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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

鳩好きな人

作者: るい

「昔から、鳩を見ると首根っこを掴みたくなるんだよね」

後ろから抱いている彼女の頭に、ぽすりと顎を載せた。

彼女は何も答えない。

「そのまま骨折ってもいいけど、バタバタ暴れんのを押さえ付けるのも楽しいと思うんだ」

彼女は少し身じろぎした。

「あ、別に鳩は嫌いじゃないよ。むしろ好きな部類……前にゆったっけ?」

彼女が動いたから、首の位置がちょっと遠くなってキツい。

「子供とかさ、蟻潰すの好きじゃん。あと、雪が積もると足跡つけまくったり。それと一緒」

今度は彼女の首もとに顔を埋めた。

「あと、好きな娘ができると、一生残るような傷とかつけたくなるね」

彼女が体を固くした。もともと小さく体育座りをしていたのを、もっとちぢこませる。

「だーいじょうぶ、体には残さないよ。心にトラウマを植え付ける系? っていうの?」

肌の表面を滑らせるように甘噛みする。

外で誰かが騒いでいる。うっせぇなぁ。せっかく彼女とイチャイチャしてんのに。

苛立ちまぎれにため息を吐くと、彼女の震えが大きくなった。

「ガタガタ震えちゃって……やっぱかぁーいいね、お前は」

彼女は何も答えない。

別にたいしたことはしていない。

ちょーっと縛って閉じ込めて罵倒しながら殴ってブチ犯しただけだ。

でもそろそろ潮時だな。

「はぁ……よっこいせ」

彼女を残して立ち上がる。見下ろした彼女の素肌には、あざ、キスマーク、噛み跡エトセトラ。

俺が着ていたTシャツをてきとうに被せてやった。

頭から灯油を被る。

一応彼女とは距離をとってるけど、どんくらい燃えるんだろ、これ。

「なぁ、お前のことはホントに好きだったんだぜ?」

どうか、彼女が俺のことを一生憎み、そして怖れ続けますように。

警察官たちが部屋に雪崩れ込むと同時に、俺はライターを付けた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こちらから先に拝読しましたが、ほのぼのの話の方が怖く感じました。 あちらは単体で読めば、ほのぼのな話だったのに……。何一つ怖いことを書いていないのにそう思わせる、雰囲気作りが上手だなと思い…
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