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8話 剣術士のへの第一歩

「おばさーん。こんにちわー」


ティアが迎えに来た。

今日は、ティアの家で剣術の訓練をする日だ。


「いってきます」


そういって俺達はいつもの木剣を持ち、玄関を出た。

ケット・シーはいつもどおり、ふよふよと後を付いてきている。


この町は本当に自然がキレイだ。

すれ違う人も、気持ちよく挨拶をしてくれる。

なんだろうこの感じ、普通に生活しているだけなのに心が洗われるようだ。

やっぱり、俺には前世のような環境は向いていなかったんだろうな。

とか考えている内に、ティアの家についたようだ。


「ここが私の家」


そう言って案内してくれた家は、

この町の中では、比較的大きい方だ。


「ようこそ。ヘリオス君、セリニス君」


ティアの父親が出迎えてくれた。

おぉ、エルフだ。わかりやすくエルフだ。


「ボクの名前はアレックス、キミのパパのお友達だよ」


え、そうなんだ。聞いてないぞ。

そう考えていると、ヘリオス兄が挨拶をした。


「こんにちわ」


おぉ偉いぞ兄よ。って俺は挨拶してないや。

いかんいかん。

でも俺は無口キャラで通しているので、お辞儀だけにしとこう。

そう考えて俺は軽くお辞儀をした。


「今日は、他の子供達は来ていなくて、君たちだけになってしまうけどいいかな。

ついておいで、訓練はこっちでするよ」


ティアの父親は、そういって俺たちを誘導し始めた。

俺はその道中、さきほどティアの父親が言っていた中で、気になった事を聞いた。


「ティア、他の子供もくるの?」

「そうだよ。パパは暇がある時はみんなに剣術を教えているの。

魔物とかに襲われた時、何も出来なかったら危ないって」


へぇ、偉いお父さんなんだな……って魔物!?


「魔物って……それって人を襲うような生き物の?」

「そうだよ」


ただのお気楽なファンタジーな世界じゃなくて、敵もいるのか……

かなり甘く考えていたのかもしれない。

もし、想像している以上に危険なモンスターがいた場合は、

最悪、死ぬ場合だってあるだろう。

一度、しっかり考えなくては。

魔法もちゃんと使えるようになりたいな。


「さて、はじめるとしようか。

そうだな……一度、君たちがどの程度動けるか確認したいな。

ヘリオス君とセリニス君で一度、いつも通りやってもらえるかな」

「わかった!」


ヘリオス兄は嬉しそうに返事をした。

やっぱり、剣を振るうのは好きなんだろうな。


「いくよ!」


そういって、ヘリオス兄はいつも通り、好きなように剣を振るってきた。

俺もいつも通り、剣で受け流すだけだ。


「ふむ。ティア、二人はいつもこんな感じで訓練をしているのかい?」

「んー、そうだと思う!」


そう言うと、ティアの父親は一歩前に出た。


「ふたりともありがとう。一度辞めていいよ、

じゃあ最初にお兄ちゃんの方から僕と練習をしよう。

好きなように攻めて良いよ」


そう言うと、ヘリオス兄とティアの父親は、軽い打ち合いを始めた。

だが、いつもより、ヘリオス兄はやり辛そうだ。

どうしたんだろう。


「うん。お疲れ様。お兄ちゃんは攻めるのは得意そうだけど、

受けるのが苦手なようだね。今後はそこも含めて練習しようか。」


なるほど。確かに俺と打ち合う時は、俺は手を出さないもんな。

やっぱり、ここに連れてきて間違いはなかったようだ。

良かった。素人がなんとなくやってるだけでは、

変な癖がついていたかもしれない。


「じゃあ次は弟くんだね。同じように好きに打ってきていいよ」


……ん。困った。

逆に俺は攻め方が分からない。

どうすれば良いんだ。


生前からそうだったが、俺は、深く考え過ぎてしまい、上手く動けない事がある。

こんな性格のため、感覚で動き出すタイプの人間に一足遅れてしまうのだ。


そう考えて、動作を停止していると声を掛けられた。


「やっぱりそうだね。弟くんは攻め方が分からないようだ。

ティアと試合をした時は。どうしたんだい?」

「とっさに体が……魔法も使ったし」


そういうと、ティアの父親は驚いた顔をし、俺を凝視した。


「魔法かい……?」

「そうなんだよ!セリニスは詠唱しなくても魔法が使えるの!」


ティアが代わりに答えてくれた。


「詠唱をしない……そんな事って、いやまさか……」


「あとでシリウスに確認する必要があるな」と言って、

何か難しそうな顔をしていた。


あれ、魔法を使ったことを言うのは不味かっただろうか……

ケット・シーをみると、あちゃーと言うような顔をしていた。


なんだろうな、最近こういう事が多いぞ。

ケット・シーの、ちょっと抜けた感じとは上手く付き合っていかないと、

のちのち大きな問題が起こりそうな気がする……


「そうだね……魔法の事はとりあえず置いといて。

ティアはお兄ちゃんと打ち合っててもらっていいかな。

手加減はちゃんとすること。たまに、当てない程度に攻撃をしておくれ。

弟くんは僕と練習をしようか、攻撃の方法を教えてあげるよ。」


そんな感じで、俺達はその後、しばらく訓練に勤しんだ。


「そうだね、今日は感覚を掴んでほしいだけだから、

このくらいにしようかな。お疲れ様。

お茶でも飲みながら、お父さんを待っていようか」


そういって、外に設置している、

おしゃれなテーブルと椅子のある空間へ案内された。


「まぁまぁいらっしゃい。今日は疲れたかしら」


ティアのお母さんだ。

なるほど、ティアが年齢の割に、俺たちと身長や外見が近い理由がわかった。

ティアの母さんは、そういう種族なのか、

身長も低めだし、こころなしか幼く見えるのだ。

しかし、可愛らしくもあるのだが、スラッとしてスタイルもよく、

顔のパーツも整っている、清楚でキリッとした感じの美人さんだ。


「さぁ召し上がれ」


お菓子の甘い匂いと、お茶の香りがとても良い。

訓練で疲れた身体が求めているのが分かる。

お菓子と茶をいただきつつも、しばらく疲れた身体を休ませていた。


「おーい、迎えに来たぞー」


父親が迎えに来たようだ。


「よう、アレックス、うちの子は優秀だろ。」

「そうだね。年の割によく動けているよ。

そうだ、ちょっと話があるんだけが良いかな」

「おう。なんだ?」


そう言って、父親たちは席を外した。

なんだろうか……といっても、きっと魔法を使えることについてなんだろうが。

深刻な話になってなければいいな。


「今日は楽しかったね!ふたりとも、またおいでよ」

「うん!そうする!」


ヘリオス兄はよほど楽しかったようだ。

俺もなんとなくコツを掴めたような気がする。

慣れてきたら案外楽しいものだ。


「おーい、帰るぞー」


父親が戻ってきた。

程よい疲れだ、今日はぐっすり眠れる気がする。


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