幼馴染
公民館の一室で、椅子に座り目を閉じている男がいる。
部屋に人が入ってきたことも気づかず、うなだれているようにも見える男に話しかける。
「お前でも、緊張とかするんだな。」
男は目を開け、話しかけた男に向かって
「田中か、こんなとこにいないで、さっさと解任派に寝返った方がいいんじゃないか。」
「高村は相変わらずだな。市長になって丸くなったと思ってたけどまったく変わってないよ、お前は。」
「俺のかたをもってたせいで、嫌がらせも受けたと聞いたぞ。昔のよしみより、今の家族を守れよ。」
「何言ってるんだ?同じ施設で育ったんだから、俺らは兄弟だろ。昔の家族も今の家族も守って、はじめて、家長だろ。」
田中は笑いながら言う。
「そんなことを海の友達が昔言ってたよ。」
「また、息子自慢か?」
「違う。」
「そんなに怒るなよ。で、どうするんだよ?」
「今までの経緯を説明して、終わりだ。」
「今日でなくても良かっただろ?古谷さん結構ヤバイんだろ?」
「本人から言われたことだからな。」
「古谷さんのことも話すのか?」
「いや、あの人はこのままがいいと言ってたから、俺とどういう関係かだけ話して、後は・・・・」
「そうか、まぁ、まだ時間があるから、慎重に頼むぞ。」
「お前にはこれ以上、迷惑かけないようにするよ。」
「俺はいいけど・・・、まぁお前のやりたいようにやれよ。じゃあ、向こうで待ってるよ。」
「ああ。」
田中が部屋を出て、また目を閉じる。




