来ない『明日』
翌日、僕らが到着しても、まったくボケじいは現れず、ゆみちゃん達は、ボケじいへのプレゼントを持ったまま立ち尽くしていた。お昼になってもボケじいが現れなかったので、力が、部屋をのぞいたりしたが姿はなく。
諦めて、その日は解散した。「明日はきっと」と言いながら。
しかし、それから3日経ってもボケじいは姿すら見えず、ゆみちゃん達が、家の中で倒れているないのではないかと心配したが、その様子もなく、わからないまま、また数日が過ぎた。
僕達は、ゆみちゃん達抜きで集まり、慎が
「どう思う?」
「旅行にいってる、って感じじゃないよね。」
太一が言い、力が、
「それならまた明日おいでって言わないだろ。」
僕は少し考えてからつぶやいた、
「お父さんなら何か知ってるかも・・・。」
「そうだよ、おじさんならきっと知ってるよ。」
「そうだな、で海のおじさん今どこだよ?」
力の問いに僕は答えられなかった。
「ごめん、お父さんの予定は僕じゃわからないよ。」
「おばさんは?」
太一が言い、僕達はその手があったかと思い、家に向かって走った。
「母さん‼」
家に入り、リビングに駆け込むと母は、キッチンで食事の準備をしていて、僕が入ってきたことに驚いて、
「どうしたの、海?そんなに慌てて・・・」
母は途中で言葉を止め、僕の後ろにいる3人に気づき、
「あら、力くん、慎くん・・・、えっ?太一くんなの?」
やはり誰が見ても太一の変わり様は驚くものなのかと僕が思ってると、力が、
「久しぶり、おばさん。じゃなくて、おじさん今どこにいるかわかる?」
「えっ、え~と・・・」
母がいい淀み、慎が
「知ってるんですか?」
「う、うん。でも、なんで?」
母はあからさまに言いたくないと言った感じで聞き返す。
僕が
「どうしても聞かなきゃいけないことがあるんだ。」
僕の必死な感じが伝わったのか、母は
「お父さんなら・・・、もうすぐ公民館で演説をすることになってるからたぶんそこに・・・。」
母が言い終わる前に僕は家を飛び出し、力と慎も続いた。
部屋に残った太一が
「おばさんは行かなくていいんですか?」
「あら、どうして?」
「僕のお父さんが、市長が次に人前で話すことがあるならそれが最後になるかもって。」
「ええ、そうするつもりだと思うわ。」
「じゃあ・・・」
「いいの。あの人は海と同じで、格好悪いところは私達に見せたくない人だから。私は家で、ご飯をつくっていつも通りにあの人と海におかえりって言うだけだから。
ほら、太一くんも急がなきゃ。」
太一は、おばさんの目に涙がたまっていることを見てから、海達の後を追った。




