政治
翌朝、僕はいつもより早く目が覚めて、家を出ようとしたところで、父の声が聞え、立ち止まった。
「この間も言ったが、家でその話はしないでおこう。」
「でも・・・」
母が言い返そうとすると、父は落ち着いた声で
「古谷さんの時もそうだったが、一度批判が起こると何をしても逆らえない流れというものができる。例え、正しいことをしても時代が変われば、それが悪になることもある。
政治も自分は正しいと思ってしていても、その判断が正しかったのかは今の人が決めるのではなく、何年、何十年先の人があの時の政治はどうだったかと振り返って、はじめて正しかったのかが決まるんだよ。」
「それじゃあ、あなたは報われないじゃないですか。」
「そうだな。俺は古谷さんが間違ってなかったことを証明したかった。でも、それもできなかった。俺のしてきたことも、きっと何年、何十年先の人が見て、俺のしたことの評価をしてくれるだろうな。」
「本格的に解任に向かって話が進んでますよ。あなた自身で動かないことにはきっと変わりませんよ。」
「そうなったとしても、それも俺の力不足が招いたことだ。お前には迷惑をかけ続けてきたが、もう少しの辛抱だと思うよ。」
「ためですよ。古谷さんが間違ってなかったことを証明するまでは辞めないで下さい。恩返しなんでしょ?」
母の涙声に対して、父も
「そうだな。あの人のおかげで、今の俺がいるんだからな。今度、話し合いに直接みなさんと話せる機会を作ってくれないか頼んでくれるか。」
「わかりました。」
話が終わったので、僕は立ち聞きしたことがばれる前に家を出た。




