奥さん(2)
「さて、今日ここまでにしようかな。」
ボケじいが話を終わり、そう言うとゆみちゃん達は、挨拶をして帰っていった。力も職場に向かってダッシュして行き、残った僕と慎はボケじいの家にいれてもらった。
慎は家のいたるところをキョロキョロと見ている。
家に招かれたときは特に動じていなかったが、内心、僕や力のようにはしゃいでいるのかもしれない。居間の写真を眺めていた慎が、1枚の写真に目を止めているところに、ボケじいが入ってきて
「それはワシの奥さんだよ。」
「この人は、ボケじいが話をしていた時に二階の窓から見てた人ですよね?」
「えっ、そんな人いたっけ?」
僕が聞くと、慎が笑いながら
「力が話を聞くのにあきると、キョロキョロしてて、その時たまたま見つけたんだよ。それを教えてもらって僕も見たんだ。」
「彼女は子どもが好きでね。でも、ワシら夫婦には子どもがいなかったし、ワシの話を聞きに来てくれた子達を見るのを楽しみにしていたよ。その時の写真が・・・」
ボケじいはそう言って、持ってきた缶を開け、一枚取り出して僕たちに見せた。カラー写真で、みんなボケじいの方を見ているのに一人だけカメラに向かってピースサインをする金髪の男の子、力が写っていた。僕も慎も太一も写っている、ボケじいが言っていた写真というのはこれかと僕が思っていると、慎が
「僕らだけピースサインしてる写真もありますよね?」
と聞く、僕はビックリして
「えっ、本当に?」
「この写真の後に、力に何してるのってなって、おばあちゃんがカメラ向けてるからっていうので、みんなでピースしたんだよ。」
「彼女も長いこと、あそこから写真を撮っていたが気づいてくれたのは君達だけでとても喜んでいたよ。」
ボケじいが言う。
「そうだったんですか。忘れてました。」
それから先は、宿題のことのための話を聞き、慎と別れて僕は図書館に向かった。




