昔話「少年と3人の侍」( 3)
「よう、海。何してんだ?」
ボケじいの家の前で、ゆみちゃんたちとボケじいが来るのを待っていると、力が通りかかり、僕に話しかけてきた。
ゆみちゃんたちは金髪で体も大きい力に対して少し怯えているように見えたので、
「大丈夫だよ。このお兄ちゃん見た目は怖いけど人に悪いことするような人じゃないから。」
「おい海、もっと違うフォローのしかたあるだろ。」
力が笑いながらいい、その笑顔を見てゆみちゃんたちも少し安心したようだった。僕は力に宿題の話とボケじいが今までにしてくれた話を簡単に説明した。
「へぇー、俺は高校行ってないけど受験生の夏休みの宿題って言うより小学校の宿題みたいだな。」
力が笑っていると、ボケじいがやって来て
「おや、今日はまた懐かしい子が増えとるな。」
ボケじいが笑顔で言い、力も
「ボケじいも元気そうだな。」と言って笑った。
「金髪のお兄ちゃんもボケじいの話聞く?」
ゆみちゃんが聞くと、力は携帯で時間を確認して、
「そうだな。今日は休みだし、約束まで時間があるから聞いてこうかな。」
「それでは、少年と侍達が一緒に住み始めたところからじゃな」
ボケじいが話の続きを話始める。
少年はボロい小さな小屋に母親と住んでいた。母親は体が弱く寝たきりだったが少年と仲良く幸せに暮らしていた。
少年の言うような危険なことなど起こりそうにもない、そんな暮らしだったため侍達は少年の言う「強さ」が何かを考え続けていた。母親も侍達を怪しむでもなく快く受け入れてくれた。
少年と母親、そして侍達の暮らしは穏やかに何も起こらず、続いた。その頃になると、あんなにいがみ合っていた侍達も仲良くなり、共に畑を耕したり、魚を釣ったりと本来の目的がなんだったかすら忘れた頃、少年と村を歩いていると身分の高そうな侍が少年の前に立ち、そして言った。
「やっと見つけたぞ、大人しく一緒に来てもらおう。」
「なんだ、隆坊知り合いか?」
次郎が聞くと、侍は鋭い目付きで次郎を睨み付けた。
「いきなり、現れて一緒に来いって言うのは、さすがに無理があると思いますよ。」
修吉が言うと侍が
「貴様等は何だ?地侍が領主様に仕える私に意見しようと言うのか?」
「領主の部下だかなんだか知らないが、隆は俺達が守る。」
庄三衛門が侍の目の前に立ち、睨みつけながら言った。
それに呼応して、次郎と修吉も少年をかばうように立ち、侍を睨み付けた。侍は三人の勢いに負け、
「次こそは、必ずつれていくからな。お前らも命が惜しければ、これ以上邪魔しないことだな。」
そう言い残して走り去っていった。




