表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

レア職業(?)に就きました

本日は2話ほど投稿予定

 ギルドマスターが提示したおすすめ職業一覧を俺は眺めていた。本来であればここには自分に適しているであろう職業がリストとして数種類提示され、その中から選択するか、もしくはこれを拒否し、自分のやりたい職業を選択するのである。……で、あるが。


「あの……これ一個しか表示されてないんですけど?」

 そう、俺の眺めるリストには、一種類。その職以外に選択肢はないと言わんばかりに一種類しか表示されていないのだ。

「うむ。お前さんは類稀なる才能を有しておる。本来であれば冒険者は己が選ぶ道を進むものであって、儂は適するであろう職を示してやるだけじゃ。じゃが、お前さんは違う。お前さんにはこの道しか選択肢は…ない。」

 選択肢はないとばっさり切り捨てられた。俺には職業を選ぶ権利とやらは存在せず、この職業でしかゲームをすることができないと言う訳だ。

「そんな無茶苦茶な……。現実世界ですら職業選択の自由くらいあるってのに、ゲームで特定職種強制されるのかよ……」

「そうじゃ。お前さんのなれる職業は一種類だけじゃ。しかし、この職業になれるのはお前さんのように、類稀なる才能を有した者だけじゃ。言うなれば選ばれしものじゃな」

 困惑を隠しきれない俺に対して、この爺さんは死亡宣告にも似た断言と共に、お前は特別なのだ。などと、何とも胡散臭い笑みを浮かべながら諭してくるではないか。


「はあ……。わかったよ、これしか選べないんならどうしようもない。これでいいよもう」

 俺は半ば諦めを含んだため息を吐き、表示されているたった一種類の職業を選択し、決定アイコンを押した。


≪職業選択が完了いたしました、これよりステータスの最適化を実施します。≫


 どこからか聞こえてきたアナウンスと共に、ステータスウィンドウが表示された。そこに表示される職業をもう一度確認し、これが何かのバグではない事にもう一度深いため息をついた。そこに表示された職業とは、剣士ではなく、戦士でもない。かと言って魔法使いなんてものでもない。シーフでもないしアーチャーなんてものでもない。


 俺に示されたただ一つの職業、それは≪開拓者≫であった。


「開拓者……ねぇ。公式サイトにも情報サイトにもそんな職業載ってなかったぞ?ますます訳が分からん」

 

公式サービスが開始されるまで、イツキの忠告により、一応公式サイトやβテスト時の攻略情報などは一通り目を通していた。当然このゲームに実装されているジョブシステムも熟読したはずだ。細かい設定内容までを記憶しているかと問われれば自信がないが、それでも職種一覧くらいは覚えている。


 このゲームの中で就ける職業は大まかに分けても戦闘職、支援職の二パターン。戦闘職はつまり、剣士や戦士、アーチャーが分類されていた。対する支援職は魔法使いとシーフのはずだったはずだ。この辺は一次職と呼ばれる最初に選ぶ職で、後々に派生する…とも書いてあったが、今選べるのはこの5種類。つまり開拓者なんていう職は存在していなかったはずなのだ。


「開拓者とは、限られた者のみが就ける職業じゃ。その重要性が故に秘匿され、世にはまだ知られてはならぬ存在。開拓者の道は他のどの職とも違う道のりじゃ。しかしその使命はすべての民のためにある。道のりは険しいがどの職よりも誇れる職なのじゃ」

 余りにも考えすぎてギルドマスターそっちのけで悩んでいた俺に優しく、まるで孫にでも昔話を話す老人のように穏やかに語り掛ける。しかし、今この場面でその語り口調は素晴らしく胡散臭い。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ