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とにかく冒険者ギルドへ

前話で一旦ここまでと言いつつ、何話か書いてしまったので少し上げます。

このような無茶苦茶な物語にもかかわらずブックマークをしてくれた方、心よりお礼申し上げます。

どうあがいても自己満足の物語ですが、楽しんでいただければ幸いです。

眼鏡を中指でくいっと持ち上げ、こちらを呆れ顔で見つめるプレイヤー。種族はどうやら人族のようで、整った顔立ちに切れ長の目、キャラメイクの時に変更しなかったのであろう短めの黒髪。大部分は違えどその眼付と眼鏡は間違いなく大樹もとい、イツキそのものであった。

 そしてそのイツキに説教を食らっている俺は、キャラメイクが面倒になり、髪型以外は変更せず完了してしまっていたのだ。


「全く…。これほどまでにお前が考えなしとは思わなかったぞ。何もなければいいがお前は現実世界の個人情報流失が怖くないのか?それに…その背格好に髪型、お前狙ってやってるのか?」

 

 どうやら怒られている大部分としては、先ほどの悪口ではなくリアル情報の件に関してであったようだ。だが、待ってほしい。俺が何を狙っていると言うのか?自分で自分を過大評価するつもりはないが、身長は平均より少し…まぁ身長はこれから伸びるとして、顔についてはそんな化け物のような顔はしてないはずだ。髪型は、せっかくの仮想世界だし、ちょっとした遊び心で長めのパターンを選んだだけだ。


「別にネタに走った覚えはないぞ。そんな背格好くらいでリアル情報なんてバレやしないだろ?髪型だって、そんな奇抜なもの選んだわけじゃないし。」

俺は全く悪くない。そう、何も悪くないのにこの扱いだ。扱いの改善を要求する。そういった意味合いを込めて、イツキを軽く睨みつけた。身長差のせいもあり、どうしても見上げる方にはなるが。


「ああそうかい。お前はやっぱり何もわかっちゃいないようだ。ならば言ってやろう。その小さめの身長に、お世辞にも男らしいとは言えない体付き、その上に乗っかったその顔。どう見たって女顔じゃないか。そこにサラサラな黒髪ロングヘアーだと?これで狙ってなければなんなんだ?あとその上目遣いやめろ。俺にはそういう趣味はないぞ。」


 イツキは大げさな程のため息を一つ漏らし、頭痛でもするのか眉間にしわを寄せ右手を額に当てていた。どうやら呆れているというアピールらしい。

 対する俺はイツキに指摘された点を真剣に考えてみた。そう言われれば確かに昔から良く女顔だと言われている。それは今も相変わらずで、やれ目がぱっちりでかわいいだの、やれ小顔でうらやましいだの、男の俺にとっては何一つうれしい内容ではない誉め言葉を頂いていた。しかしだ、どのみちキャラメイクで体格を極端に変える事ができない以上、顔つきだけ妙に男らしくしたって、それはそれでおかしいだろう。それに髪型だって合いそうなものを選んだ結果が黒髪ロングヘアーだっただけである。あと誰がお前に上目遣いなんかするか!睨んでるんだ、分かれよバカヤロー。


「まあいい。ここで無駄な時間を消費していても始まらない。取りあえず冒険者ギルドってのに行くぞ。いつまでもむくれてんな。」

 もう一度ため息を吐いたイツキは、最初の目的を思い出し冒険者ギルドへ向かう事を提案する。当然ではあるが異論はないので大人しく従うことにした。


「とにかく冒険者ギルドへ。話はそれからだ。」


 俺たちはまだこのゲームにログインし、最初のミッションである冒険者ギルドへすらたどり着いていない。職業ノージョブ、無職なのである。


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