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人間と熊、対話する

本日2本目の投稿。

 それから俺とアンジーは、現時点でお互いがわかっている事を共有し合い、幾らか新しい事実を発見するに至った。とは言え、俺の知っている内容自体はアンジーが既に知っている事も多く、どちらかと言えば俺が教えてもらう方が多かったわけではあるが。

 

 まず、この地がどこなのかは不明と言う点だが、これはこのゲームの仕様においてマップ表示機能がないという事が大きい。いや、正確にはマップ事態はあるのだが、これは自分自身が赴いた地や、何らかの情報を得たものしか表示されない。そして、厄介なことにマップ自体は常時表示されているものではない。支給された道具の中にあった白紙の羊皮紙、それがこの世界のマップ…になる予定の物だった。


 この羊皮紙には特殊な加工がされており、真ん中に自分自身を示す赤丸が表示されている。そしてその赤丸を中心に円形の地図表示となっていて、更にその周りは白紙のままである。二人で話し合った結果、これが現在視認できているエリアという結論に至った。ちなみにこの円が俺の視界より少し広く表示されているのはアンジーからの情報提供を受けた時点で広がったためだ。そして地図の上部には、このエリアの名を示す≪西の森の開拓地≫と書かれていた。だが、この地がどこに対しての西なのか、それは現時点ではわからない。ひょっとすれば始まりの街に対して西なのかもしれないが、それを確かめる術もないので保留である。


次に、俺たち開拓者についてだが、これについてもいくつかの事が判明した。

先ず大前提として、公式情報がないので判断基準がないのだが、ステータスを確認してみても平均的ステータス。何かに特化した職ではないという事がわかった。

 だがしかし、この開拓者には一つ気になる点がある。それはスキルについてだ。

 このゲームの特徴の一つとして、各戦闘職の他に生産職スキルを取得できる。これは全職共通の事であり、漏れなく生産職スキルを取得するのだ。

しかし、生産職スキルと言うのは一種の縛りがある。それは、選択した戦闘職種において得手、不得手があり、成長率や生産失敗率に影響する。そして、職種によっては選択できないスキルが存在するという事だ。

 例えば、戦闘職として剣士を選択すれば、鍛冶が最も得意な生産となり、石材、木材と続き、最も不得意なものとして細工となる。当然細工は取得できず、苦手分野方向のスキルは成長率が大幅に下がり、失敗率が上昇する。当然不得意な生産職を敢えて選択し育成するのは何のメリットも存在しないので基本的には一番得意とする生産スキルをメインに伸ばしていく事となる。

 これと同じように戦闘職についても、得手不得手があり、剣士は剣や槍、手斧などの武器が得意で、魔法や罠がやや不得意、そして重量系の武器種は扱えないなどがある。


 対してこの開拓者という職についてだが、その制限となる物が存在していない。基本的になんでも扱え、どんな物でも作り出せるようになっている事が分かった。これはスキルツリーなるものを確認した時点で判明したことであり、どうやら開拓者には専用のスキルツリーが存在している。

 ただし、なんでも扱えると言えば聞こえがよく、チート職業のようにも思えるが、一概にはそうとは言えない。なぜなら基本となるステータスが軒並み平均値、何に対しても特化していない。

よく言えば万能、悪く言えばただの器用貧乏である。そして得手不得手がない分、成長率も一定で育成には時間がかかると言う事でもある。


「ハマれば強いかもしれんな。最も、俺のようなタイプの人間には余りにも細かい作業は向いとらんのう。ガハハハッ!」

 見たまま熊であるアンジーは、その大きな口を豪快に開き笑う。その容姿からは到底細工などの加工を行う様を想像できるはずもない。もしそんな光景があれば、さぞかしシュールであろう。


「とりあえず職についてはある程度の事がわかった。後は経験していくしかないな。」

 そう、これ以上の事は事前情報がないのだから、自分自身で道を切り開くしかないのである。運営はこうなることまで想定したうえで、開拓者という職の存在を秘匿していたのだろうか…。そうであればかなり意地の悪い運営である。


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