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カオティックアーツ  作者: 日向 葵
第二章
46/74

46:海上戦 化物との戦い

ちょっと、更新頻度が遅くなってますね。

なんかすいません。

よろしくお願いします!

 海に突如現れた化物。

 その姿は、蛇のような体に魚のようなウロコ。

 頬と思わせるあたりにヒレがあり、まるでリヴァイアサンを想像させるような姿だった。

 その化物は、楓たちが乗った船の突撃により海面上で悶えている。

 そして、化物は起き上がり楓たちのことを睨みつけた。

 爬虫類特有の目が楓たちを震え上がらせる。

 まるで怒っているような表情だったが、一変して笑いだした。


 恐ろしい見た目の化物に驚愕するクレハ達。

 だが、楓だけが何かがおかしいことに気がついた。


 普通なら怒り狂うはずの場面なのに、なんでコイツは笑っているんだ。

 普通の化物とは少し違うんじゃないのかと楓は思った。

 化物の表情は、笑っているようだったが、少しばかし顔を赤らめている、そんな気がした。


 その表情にブラスも気がついたようで、化物の様子がおかしいことに頭を悩ませる。

 そして、ブラスは気がついたのだ。

 この化物がブラスの同類であることに。

 そして、ブラスの心に親近感が芽生えた。

 俺はこいつを倒せるのだろうか、と再び頭を悩ませる。


 笑っていた化物は、もっと攻撃を打ち込んでこいと言わんばかりの挑発を始める。

 しかし、姿が恐ろしい化物に未だ驚愕しているクレハ達に、化物の様子がおかしくて悩む楓とブラスは、化物を目の前にしても攻撃をしなかった。


 その様子に化物は疑問を抱く。

 なぜ、誰も攻撃してこないのかと。

 化物はもっと痛みが欲しかったのだ。


 化物としての姿は、ご主人様によって手に入れたもの。それ以前、海に棲む生物の一匹に過ぎなかった。

 突然手に入れた強大な力で暴れまわるのはとっても楽しかった。

 だけど、それがいつもの日常になると面白くなくなってきた。

 楽しかったことが単なる作業に落ちた瞬間だったのだ。

 そして、化物は気がついった。

 触覚が鈍くなっていることに。味覚、聴覚、視覚などは正常だが、触覚だけはちゃんと感じられなくなったのだ。

 それは、突然頑丈になったウロコのせい。

 あらゆる攻撃から身を守ってくれるのはありがたいが、刺激が物足りないと感じていた。


 もっと刺激がほしいと思っていた時に来た、突然の痛み。

 あれはとても快感だった。

 だから、もっと攻撃して欲しかったのに、誰も攻撃してこない。

 なぜだろうと考えてみて、ふと思い出す。

 化物を討伐しようとやってきた兵士や冒険者達。

 兵士や冒険者たちは、化物が襲ったら必死な表情で反撃してきた。

 化物は、『そうか、襲わないのが原因なんだな』という考えに至ったのだ。


 化物が襲おうとしたとき、突然ブラスが笑いだした。

 一体何事かと楓たちがブラスを見る。

 もちろん化物もだ。


「あっははははは。化物よ。お前の考えはよく分かるぞ」


 何かを悟ったようなブラスの表情を見て、化物は自然な笑みを浮かべた。

 そして、尾でブラスを吹き飛ばした。


「がはぁ」


 化物の攻撃により、ブラスは吹き飛ばされて、船上を転げ回った。

 なぜ、ブラスが攻撃を受けたのかという疑問が楓の中に生まれた。


 現在、船には、凝縮されたエネルギー体が船を包み込むように展開されているはず。

 そう、楓特性の障壁型カオティックーツ【リフレクト】により守られているはずだったからだ。


 【リフレクト】は凝縮したエネルギーにより作られたバリアを展開するカオティックアーツだ。

 膨大なエネルギーを消費する代わりに、あらゆる攻撃を防ぐ。


 莫大なエネルギーは、暗黒物質をエネルギーに変換する技術を用いている。

 しかし、消費するエネルギーと生成するエネルギーが同じになってしまい、攻撃を受け続けたら壊れてしまうデメリットがある。

 更に、バリアの内側と外側を遮断するように展開されるので、【リフレクト】が展開されているときは攻撃ができないといった問題まであった。。


 そこで、楓は二つの設定を作ったのだ。

 全体を包み込むような形状と、船の表面をコーティングするような形状だ。

 これは、現地に向かう途中で突然襲われても無事でいられるためと、実際に戦うときに船だけを守るための設定だった。


 まだ、設定を切り替えていないはずなのに、船の表面をコーティングする設定が動いている。

 ブラスが攻撃を受けたのがその証だ。


「がう!」


「……カノン。お前……」


 なんと、カノンが勝手に設定を切り替えていた。

 まぁ、楓が化物と戦う状況になったら切り替えろと言っておいたので、カノンは悪くない。

 だが、切り替えたタイミングが悪かった。

 そのせいで、ブラスが攻撃を受けたのだ。


 誰もが、ブラスはもう……と悲観した。


「化物よ、いい痛みじゃないかぁ」


 ブラスは声を張り上げて立ち上がった。

 攻撃を受けたせいで、多少ボロボロになっているものの、表情は笑顔だった。


 化物とブラスは見つめ合う。

 そして、互いに笑いだしたのだ。


 その光景を見ていた全員はドン引きした。

 そして、楓は化物を厄介な相手だと思う。


 痛みを受けて喜ぶのは、痛みが気持ちよく感じるか、新鮮に感じるかだ。

 ブラスは前者だが、化物は後者だろうと思った。いや、楓はそう信じたかった。


「楓、今がチャンスだよ。ブラスが気を引いているうちに攻撃しよう」


「ああ、そうだなクレハ。

 みんあ、ブラスに攻撃しないように攻撃するぞ!」


「了解よ」


「わかったよ、お兄さん」


「ああ、私がライトワークのリーダーだったのに……楓に取られた」


 若干一名、落胆しているが、化物を攻撃することにした。


 楓は船に設置していた、魚雷型カオティックアーツ【トーペックス】を発射させる。

 【トーペックス】は化物に向かってまっすぐ進んでいく。


 ブラスと笑い合っていた化物もその存在に気がついたが、無視することにした。

 やっと攻撃が来たと、内心喜んでいたからだ。


 【トーペックス】は化物に当たると、海が膨れ上がり、まるで火山が噴火したかのような爆発をした。


 なぜ、【トーペックス】がこのような爆発をしたかというと、楓とクレハが見つけた魔力と暗黒物質を変換したエネルギーの反発現象によるエネルギーの暴走が原因だった。


 とある密閉された箱に板をいれ、二つの空間を作る。その中にそれぞれ魔力と暗黒物質を変換したエネルギーを限界まで詰め込む。そしてつ立つを遮っていた板を外すと、異なるエネルギー同士の場所の取り合いが始まり、互のエネルギーは反発して暴走を起こす。

 最終的に起こるのが爆発だった。

 しかも、化物討伐用にありったけ詰め込んだエネルギー。

 実験の時以上の火力を見せたのは言うまでもない。


 だが、これで化物を倒せるとは思えない。


「閃光よ。迸れ!【エクレール・フロウ】」


「雷よ。我が敵に災厄を降り注げ【フードル・カラミティ】」


 フレアの閃光魔法により化物に追撃、クレハの雷魔法は、化物に更なるダメージを与える。


 ティオも負けじと弓型のカオティックアーツ【ガーンデーヴァ】より矢を放つ。

 ブレずにまっすぐ進む矢は化物に突き刺さる……はずだった。


 楓の魚雷、クレハ、フレアの魔法により大ダメージを与えているはずなのに、とっても喜んでいる化物。


 ティオの矢は、はじかれ、楓、クレハ、フレアの攻撃はまったく効いていないように、ブラス以外が感じた。


「さぁ、同類よ。もっと打ち込んでこい!」


 ブラスが馬鹿なことを叫び始めた。

 ブラスの言葉に従い、化物はブラスのみを攻撃する。

 ブラスも化物にダメージを与えるため、攻撃を繰り出す。

 お互いに痛みを与え合う、変態と化物。

 楓たちには目もくれず、夢中になってやっていた。


 問題は唐突に現れる。

 ブラスと化物が暴れまわあるせいで、船の耐久をあげるために展開していた【リフレクト】のエネルギー量が危ないラインまできたのだ。

 このままでは船が沈んで全滅してしまうと楓は思った。


「楓、あれをやりたい。あれなら化物を討伐できるかも知れない!」


「あれって、まさか!」


「そうよ。

 必死で練習して、私とフレアさん、そしてティオとの連携により繰り出す超必殺技!」


 楓は、少しだけ考えて答えを出した。


「よし、それでいこう。化物はブラスに注意がいっている。

 俺も何かして注意を引くから、必殺技を確実に決めてくれ!」


 クレハたちにそう言って、楓は戦っているブラス……の方ではなく、後方で待機しているカノンのもとに向かった。


 あれが成功したら、倒せるかも知れない。

 そう思い、楓はニヤッと笑った。

読んでいただきありがとうございます!


海上戦で化物を討伐するところまで行きたかったのですが……

いや、それよりも新キャラ登場予定だったのに!

次回こそは登場するはずです!


次回もよろしくお願いします!

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