46:海上戦 化物との戦い
ちょっと、更新頻度が遅くなってますね。
なんかすいません。
よろしくお願いします!
海に突如現れた化物。
その姿は、蛇のような体に魚のようなウロコ。
頬と思わせるあたりにヒレがあり、まるでリヴァイアサンを想像させるような姿だった。
その化物は、楓たちが乗った船の突撃により海面上で悶えている。
そして、化物は起き上がり楓たちのことを睨みつけた。
爬虫類特有の目が楓たちを震え上がらせる。
まるで怒っているような表情だったが、一変して笑いだした。
恐ろしい見た目の化物に驚愕するクレハ達。
だが、楓だけが何かがおかしいことに気がついた。
普通なら怒り狂うはずの場面なのに、なんでコイツは笑っているんだ。
普通の化物とは少し違うんじゃないのかと楓は思った。
化物の表情は、笑っているようだったが、少しばかし顔を赤らめている、そんな気がした。
その表情にブラスも気がついたようで、化物の様子がおかしいことに頭を悩ませる。
そして、ブラスは気がついたのだ。
この化物がブラスの同類であることに。
そして、ブラスの心に親近感が芽生えた。
俺はこいつを倒せるのだろうか、と再び頭を悩ませる。
笑っていた化物は、もっと攻撃を打ち込んでこいと言わんばかりの挑発を始める。
しかし、姿が恐ろしい化物に未だ驚愕しているクレハ達に、化物の様子がおかしくて悩む楓とブラスは、化物を目の前にしても攻撃をしなかった。
その様子に化物は疑問を抱く。
なぜ、誰も攻撃してこないのかと。
化物はもっと痛みが欲しかったのだ。
化物としての姿は、ご主人様によって手に入れたもの。それ以前、海に棲む生物の一匹に過ぎなかった。
突然手に入れた強大な力で暴れまわるのはとっても楽しかった。
だけど、それがいつもの日常になると面白くなくなってきた。
楽しかったことが単なる作業に落ちた瞬間だったのだ。
そして、化物は気がついった。
触覚が鈍くなっていることに。味覚、聴覚、視覚などは正常だが、触覚だけはちゃんと感じられなくなったのだ。
それは、突然頑丈になったウロコのせい。
あらゆる攻撃から身を守ってくれるのはありがたいが、刺激が物足りないと感じていた。
もっと刺激がほしいと思っていた時に来た、突然の痛み。
あれはとても快感だった。
だから、もっと攻撃して欲しかったのに、誰も攻撃してこない。
なぜだろうと考えてみて、ふと思い出す。
化物を討伐しようとやってきた兵士や冒険者達。
兵士や冒険者たちは、化物が襲ったら必死な表情で反撃してきた。
化物は、『そうか、襲わないのが原因なんだな』という考えに至ったのだ。
化物が襲おうとしたとき、突然ブラスが笑いだした。
一体何事かと楓たちがブラスを見る。
もちろん化物もだ。
「あっははははは。化物よ。お前の考えはよく分かるぞ」
何かを悟ったようなブラスの表情を見て、化物は自然な笑みを浮かべた。
そして、尾でブラスを吹き飛ばした。
「がはぁ」
化物の攻撃により、ブラスは吹き飛ばされて、船上を転げ回った。
なぜ、ブラスが攻撃を受けたのかという疑問が楓の中に生まれた。
現在、船には、凝縮されたエネルギー体が船を包み込むように展開されているはず。
そう、楓特性の障壁型カオティックーツ【リフレクト】により守られているはずだったからだ。
【リフレクト】は凝縮したエネルギーにより作られたバリアを展開するカオティックアーツだ。
膨大なエネルギーを消費する代わりに、あらゆる攻撃を防ぐ。
莫大なエネルギーは、暗黒物質をエネルギーに変換する技術を用いている。
しかし、消費するエネルギーと生成するエネルギーが同じになってしまい、攻撃を受け続けたら壊れてしまうデメリットがある。
更に、バリアの内側と外側を遮断するように展開されるので、【リフレクト】が展開されているときは攻撃ができないといった問題まであった。。
そこで、楓は二つの設定を作ったのだ。
全体を包み込むような形状と、船の表面をコーティングするような形状だ。
これは、現地に向かう途中で突然襲われても無事でいられるためと、実際に戦うときに船だけを守るための設定だった。
まだ、設定を切り替えていないはずなのに、船の表面をコーティングする設定が動いている。
ブラスが攻撃を受けたのがその証だ。
「がう!」
「……カノン。お前……」
なんと、カノンが勝手に設定を切り替えていた。
まぁ、楓が化物と戦う状況になったら切り替えろと言っておいたので、カノンは悪くない。
だが、切り替えたタイミングが悪かった。
そのせいで、ブラスが攻撃を受けたのだ。
誰もが、ブラスはもう……と悲観した。
「化物よ、いい痛みじゃないかぁ」
ブラスは声を張り上げて立ち上がった。
攻撃を受けたせいで、多少ボロボロになっているものの、表情は笑顔だった。
化物とブラスは見つめ合う。
そして、互いに笑いだしたのだ。
その光景を見ていた全員はドン引きした。
そして、楓は化物を厄介な相手だと思う。
痛みを受けて喜ぶのは、痛みが気持ちよく感じるか、新鮮に感じるかだ。
ブラスは前者だが、化物は後者だろうと思った。いや、楓はそう信じたかった。
「楓、今がチャンスだよ。ブラスが気を引いているうちに攻撃しよう」
「ああ、そうだなクレハ。
みんあ、ブラスに攻撃しないように攻撃するぞ!」
「了解よ」
「わかったよ、お兄さん」
「ああ、私がライトワークのリーダーだったのに……楓に取られた」
若干一名、落胆しているが、化物を攻撃することにした。
楓は船に設置していた、魚雷型カオティックアーツ【トーペックス】を発射させる。
【トーペックス】は化物に向かってまっすぐ進んでいく。
ブラスと笑い合っていた化物もその存在に気がついたが、無視することにした。
やっと攻撃が来たと、内心喜んでいたからだ。
【トーペックス】は化物に当たると、海が膨れ上がり、まるで火山が噴火したかのような爆発をした。
なぜ、【トーペックス】がこのような爆発をしたかというと、楓とクレハが見つけた魔力と暗黒物質を変換したエネルギーの反発現象によるエネルギーの暴走が原因だった。
とある密閉された箱に板をいれ、二つの空間を作る。その中にそれぞれ魔力と暗黒物質を変換したエネルギーを限界まで詰め込む。そしてつ立つを遮っていた板を外すと、異なるエネルギー同士の場所の取り合いが始まり、互のエネルギーは反発して暴走を起こす。
最終的に起こるのが爆発だった。
しかも、化物討伐用にありったけ詰め込んだエネルギー。
実験の時以上の火力を見せたのは言うまでもない。
だが、これで化物を倒せるとは思えない。
「閃光よ。迸れ!【エクレール・フロウ】」
「雷よ。我が敵に災厄を降り注げ【フードル・カラミティ】」
フレアの閃光魔法により化物に追撃、クレハの雷魔法は、化物に更なるダメージを与える。
ティオも負けじと弓型のカオティックアーツ【ガーンデーヴァ】より矢を放つ。
ブレずにまっすぐ進む矢は化物に突き刺さる……はずだった。
楓の魚雷、クレハ、フレアの魔法により大ダメージを与えているはずなのに、とっても喜んでいる化物。
ティオの矢は、はじかれ、楓、クレハ、フレアの攻撃はまったく効いていないように、ブラス以外が感じた。
「さぁ、同類よ。もっと打ち込んでこい!」
ブラスが馬鹿なことを叫び始めた。
ブラスの言葉に従い、化物はブラスのみを攻撃する。
ブラスも化物にダメージを与えるため、攻撃を繰り出す。
お互いに痛みを与え合う、変態と化物。
楓たちには目もくれず、夢中になってやっていた。
問題は唐突に現れる。
ブラスと化物が暴れまわあるせいで、船の耐久をあげるために展開していた【リフレクト】のエネルギー量が危ないラインまできたのだ。
このままでは船が沈んで全滅してしまうと楓は思った。
「楓、あれをやりたい。あれなら化物を討伐できるかも知れない!」
「あれって、まさか!」
「そうよ。
必死で練習して、私とフレアさん、そしてティオとの連携により繰り出す超必殺技!」
楓は、少しだけ考えて答えを出した。
「よし、それでいこう。化物はブラスに注意がいっている。
俺も何かして注意を引くから、必殺技を確実に決めてくれ!」
クレハたちにそう言って、楓は戦っているブラス……の方ではなく、後方で待機しているカノンのもとに向かった。
あれが成功したら、倒せるかも知れない。
そう思い、楓はニヤッと笑った。
読んでいただきありがとうございます!
海上戦で化物を討伐するところまで行きたかったのですが……
いや、それよりも新キャラ登場予定だったのに!
次回こそは登場するはずです!
次回もよろしくお願いします!




