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カオティックアーツ  作者: 日向 葵
第一章
30/74

30:旅立ち

本日は無事に投稿。

本日の話で第一章が終了です。

本日もよろしくお願いします。

 「フレアさん、クレハ。これを」


 楓が渡したのは、クレハと共同開発した、魔法補助型のカオティックアーツ【ブーストリング】。

 これにより、クレハとフレア使う魔法が強化される。


 「助かるぞ、楓。閃光よ。迸れ。【エクレール・フロウ】」


 フレアが放った閃光の魔術が聖騎士の一人を打ち抜く。

 対魔法攻撃用の装備をしている聖騎士は、盾を構えて迎え撃つ。


 しかし、フレアが放った魔法は、【ブーストリング】によって、はるかに強化されたものだったため、聖騎士が吹き飛ばされた。


 吹き飛ばされた聖騎士の体に、外傷はないが、余りにも強い衝撃のため、気絶していた。


 それを見ていた、他の聖騎士たちは、フレアの魔法が対魔法装備の防御力を超えていることを理解して、次に放ったフレアの魔法を回避しようとする。


 「そんなことはさせないよ。己の影に苦しみ、束縛されよ【シャドウ・リストリクションズ】」


 【ブースドリング】によって強化されたクレハの束縛魔法が放たれる。


 フレアの閃光魔法に気を取られた聖騎士たちは、クレハの魔法を回避することができず、影に束縛されていく。


 そして、フレアが閃光魔法によって、敵を気絶させていく。


 これは、楓の読み通りだった。

 いくら、聖騎士たちが魔法戦に特化して、優れた防具を装備していても、それを上回る攻撃が来れば、対処は難しくなる。

 戦法も限られてくるものだ。

 攻撃が防げないなら、回避するか、敵の攻撃を阻害するしかないのだから。


 そして、敵である聖騎士たちは、回避する戦法を取った。


 防御力に頼っていたため、阻害する方法がないことも楓の読み通りだた。


 そのため、聖騎士たちが、次々と倒れていく。


 そんな様子を見て焦りだしたのは、聖騎士隊の隊長、ドルフだった。


 「畜生、何なんだあの魔法は。対魔女に特化した聖騎士に魔法で倒していくなんて。ありえない!」


 「それが、ありえるんですよ。隊長」


 「なに、どういうことだ、ブラス!」


 「俺たちの仲間には、技術によって仲間を強くする、本物の天才がいるんですよ」


 「っち、お前の厄介な武器もそいつが作ったのか」


 「ああ、そうですよ。隊長!」


 ブラスの攻撃が、ドルフの盾に当たる。

 【ヴァイブロブレード】を装備しているブラスの攻撃は、盾ごと切り裂いた。


 切り裂かれる時に、うまく攻撃を流したドルフは無傷だったが、防具がボロボロだった。


 対魔法用の聖具であるが、物理的防御力は、少し防御力のある普通の盾だ。

 物理防御特化型の聖具でもない限り、【ヴァイブロブレード】を防ぎきることができなかった。


 ヒュンっと、音を立て、ティオが放った矢が、ドルフの鎧の隙間に刺さる。


 「ぐ、お前たちがここまで強いとは思わんかった。かくなる上は、これを使うしかないか」


 「何をする気です。隊長!」


 「はは、クソッタレな【オルタルクス】の作品を使うんだよ。あのクソッタレな奴らのな!」


 取り出した聖具は、禍々しい光をまとって揺らめいていた。

 明らかに異常な武器だったため、ブラスは距離を取る。


 「ブラス、大丈夫か」


 「ああ、大丈夫だ。楓のほうはどうだ」


 「クレハたちが参戦できたから、あらかた片付いた。あとは、あの聖騎士隊の隊長をどうにかすれば、俺たちの勝ちだ」


 「ああ、だが、隊長をどうにかするのは難しいかも知れない」


 「どういうことだ?」


 「あれを見てくれ」


 ブラスが指した方向を見ると、ドルフが怪しげな聖具を持っていることに気がついた。

 それを見た瞬間、楓は怒りが沸き上がってくるのを感じた。


 「また【オルタルクス】か……」


 「ああ、おそらく最悪の聖具だと思う」


 ブラスは山賊が化物になった事を思い出した。

 ブラスが来た時には、既に化物溶かしていた、山賊のお頭。

 そう、人を化物にするぐらい、危険なものを【オルタルクス】が作っていることを知っていた。


 「隊長、そんなものを使わないでください。それは、人を化物にするぐらい、凶悪な兵器なんですよ」


 「そんなことは知っている」


 「では、なぜ……」


 「俺が負けると、家族が、娘が連れて行かれるんだよ【オルタルクス】にな。だから、俺は負けるわけにはいかないんだ!」


 「いくら、教会内最大の組織である【オルタルクス】だからといって、そんな事するはずが……」


 「あいつらの実験に使っている者はなんだと思う?」


 「人間………だろ」


 「ほう、楓といったか。よくわかったな。じゃあ、その人間はどっから調達してくる?」


 「まさか!」


 「どういうことだ、楓」


 「お前の隊長が負けたら、家族が実験に使われるってことだよ」


 「そういうことだ。覚悟しろ!」


 ドルフが聖具を発動させる。黒い霧のようなものが溢れ出てきた。

 暗黒騎士。その言葉が似合う理性のなくなった悪魔が誕生した。


 「ちくしょ。隊長」


 「大丈夫だ。俺とクレハで何とかしてやる」


 「お待たせ、あっちは、フレアさんとティオとカノンで何とかなるから、任せてきたよ!」


 「ナイスタイミングだ。クレハ!」


 「ほぇ?」


 あまりついていけてないクレハ。

 だが、ドルフの様子を見て、納得した。


 「楓、あれを使うの?」


 「ああ、今がその時だと思う」


 「楓、本当に隊長は、隊長の家族は大丈夫なのか」


 「わからない。だが、あの隊長が生きていれば、家族は大丈夫だという方に賭けてみるよ。じゃないと、俺たちが死ぬだけだ」


 「そっか、隊長が生きてさえいれば、【オルタルクス】も手が出せにくいわけか。お願いだ。隊長を助けてくれ!」


 「わかった。少し準備がいるから、隊長の攻撃を防いでくれ。クレハ。やるぞ」


 「うん」


 「了解した。俺は、隊長を止める!」


 暗黒騎士となった、ドルフが突撃してくる。

 その攻撃をブラスが食い止めた。


 その間に、楓はもう一つの共同作品【マジック・グラトニー】だ。


 その効力は敵の力を喰らい尽くすこと。

 対【オルタルクス】聖具用に、クレハと共同開発していたものだ。


 魔法の元となるエネルギーとして、魔力。

 聖法の元となるエネルギーとして、聖法気。


 この二つのエネルギーは、正反対の性質を持ち、二つがぶつかると対消滅する。

 そのことを知った楓は、クレハに魔力を注いでもらい、敵の聖法気を消滅させるカオティックアーツを制作した。

 それが【マジック・グラトニー】だ。

 普通にやったなら、対消滅が起こったとしても、エネルギー量の多い方が残るため、ダメージを与えられる。

 そのため、魔法によって、敵の攻撃を無力化することが考えられていなかった。

 しかし、楓のカオティックアーツには、特別なセンサー技術が取り入れてあり、完全に無力化することを可能としていた。


 「クレハ、行くぞ……」


 「わかったわ」


 クレハが【マジック・グラトニー】に力を注ぐ。

 次第に溜まっていくエネルギー。

 楓は、暗黒騎士と成り果てた、ドルフに【マジック・グラトニー】を構えた。


 「ブラス。今から、お前の隊長を止めてやる。離れろ!」


 「ああ、わかった」


 楓が放った攻撃が、ドルフが使用している聖具を吹き飛ばした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 聖騎士たちを無力化したあと、楓たちは、その場から逃げ出した。

 あの場所に【ライトワーク】の拠点は存在しない。

 あるのは、焼けた屋敷だけだった。


 「これから一体どうしよう……」


 これから先の出来事に不安を抱えるクレハ。

 その言葉に、楓以外の全員が不安そうな顔をする。

 楓は、みんなの不安を払拭させるためか、ある提案を持ちかけた。


 「こことは別の場所に行ってみないか?」


 「お兄さん。こことは別の場所って?」


 「だって、俺たちは生きているんだ。なくなったのは【ライトワーク】の拠点だけ。だったらさ、やり直せるとは思わないか?」


 「でも、一体どこに行けばいいのよ」


 「そんなのはどこでもいい。新天地を探すなんて、そんなもんだろ?」


 「はは、確かにな。それもありかもしれないな」


 「だったら、別の大陸に行ってみないか? 聞いた噂だと、魔女の国があるそうなんだ。」


 「魔女の国か。それはいいかもしれないな」


 「がうがう!」


 「お、カノンも賛成か。だったら、新天地として、魔女の国に行ってみよう!」


 「別の大陸に行くなら、船が必要だな。だったら、目指すは港町【アパダリア】だな」


 楓たちは、次の拠点を、噂に存在する魔女の国に定めた。

 その国は、あるかどうかわからない。

 それに【オルタルクス】のこともある。

 だから、どんな危険があるかもわからない。

 しかし、新天地に希望をもって、楓たちは旅に出た。

読んでいただきありがとうございます。


次回から第二章に入ります。

魔女の国までの旅編です。


次回もよろしくお願いします。

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