表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カオティックアーツ  作者: 日向 葵
第一章
28/74

28:聖騎士の襲撃

本日も投稿しました。

よろしくお願いします!

 楓たちが拠点としている【ライトワーク】を見つめる、黒い男がいた。


 「ははは、見つけてやったぞ。あの山賊たちとの戦いも、実に面白かった。もっとだ、もっと見てみたい。我らの野望のために」


 この黒い男は、カノンの親を実験動物にし、山賊のお頭に聖呪道を渡した【オルタルクス】の一人だった。

 この男は楓のカオティックアーツを非常に気に入っていた。

 【オルタルクス】でも知らない技術を用いた、楓の顔テックアーツは非常に魅力的で、どうしても手に入れたい技術だった。


 「魔女どもと一緒にいるのも気に食わないが、何より、あそこに留まっては更なる道具が見れない。困った困った」


 悪意に満ちた笑みを浮かべながら、【ライトワーク】の拠点を見つめる男。


 ふと、ある案が浮かんだ。


 「あの拠点を滅ぼしてしまおう。魔女が居るんだ。盛大に踊らせて、ここから追い出せばいい。世界を巡れば、もっと面白いものが見られる。我らの野望に近づく」


 そう、魔女に目をつけた。

 魔女は、教会で禁忌、悪魔とされており、見つけたら裁く対象となっていた。

 その魔女を理由に聖騎士で襲わせて、拠点を破壊してやればいい。男はそう考えた。


 楓がカオティックアーツを使えば、逃げることは可能。

 負けたとしても、魔女や他の者たちを皆殺しにして、楓だけ奪っていけばいい。

 そうすれば、野望に近づける、男はそう考えてしまったのだ。


 考えを思いついた男は、行動を開始した。


 「はは、精々踊って見せろ。そして、我々に技術を提供しろ。我らが野望のために。はは、はははははははは」


 そして、男はその場から姿を消した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その頃、楓たちは仕事がないため、【ライトワーク】の拠点で暇していた。

 楓とクレハは、カオティックアーツの研究開発。

 ブラスは鍛錬。

 フレアは事務処理。

 ティオとカノンは遊んでいた。


 楓がぽこりんを討伐して以来、森の中は平和だった。

 危険な魔物が全く出てこない。

 食料的な問題もなく、平和な日常を謳歌していた。

 しかし、平和な日常は長く続かなかった。


 それは、ティオとカノンが知らせてくれた。


 「大変だよ。聖騎士がこの村の近くに現れた!」


 「がうがう!」


 そう、魔女を狩るために作られた組織、聖騎士の一団体が村を訪れていた。

 何故、聖騎士がいるのか理由がわからないが、危険だと、直感が言っていた。

 そのため、楓は、戦闘離脱用、逃げるためのカオティックアーツを全員に渡し、いつでも逃げられるようにした。

 襲いかかったら、勝てるかわからない。

 もし負けたとしても、全員が逃げられるようにしたかった。

 死んでしまったら、何もかもが終わりだからだ。


 そして、いつまでも続くであろう日常が終を告げる。

 聖騎士が、【ライトワーク】の拠点に現れた。

 しかも、全員が戦闘体制で、陣を組んでいる。


 「おとなしく出てこい。ここに魔女がいるのはわかっている!」


 「っち、もう来やがったか」


 「一体どうすればいいの」


 「このままじゃ逃げられないかもしれない。追い払うために戦うか?」


 「いや、俺が出る。あれは俺の知っている聖騎士だ」


 そう言い残し、ブラスは外に出ていった。

 ブラスが出てきたことで、聖騎士たちが動揺した。

 それもそのはずだ。

 ブラスは、少し前まで、聖騎士の一員としていたのだから。


 「ドルフ隊長! 俺です。ブラスです」


 「ブラスか。おまえはどうしてここにいる」


 「俺が弱かったからです。だけど、ここの人たちに助けられました。ここは大丈夫です。隊長、兵を引いてください」


 「そうか。そうだったのか……」


 「隊長……」


 楓たちは、ほっとした。

 ブラスの元仲間が、ブラスの話を聞いてくれたからだ。

 もしかしたら大丈夫かも知れない、そんな気持ちが湧き上がった。

 しかし、それが油断となってしまった。


 「おまえは、魔女に洗脳されてしまったのだな。忌々しい【オルタルクス】より聞いている。ここに魔女が居ることはわかっているのだ! 全員構えよ。悪しき魔女を滅せよ」


 他の聖騎士たちが火矢を構え、放った。

 【ライトワーク】の拠点が燃え上がる。

 それは、誰にも止められないほどの勢いだった。


 「このままじゃ全滅だ。急いで外に!」


 「みんな、煙は吸うはよ!」


 フレアの掛け声で、屋敷を飛び出した。

 楓のアドバイスで、煙は吸わないように気を付けて。

 火事が起こったら、煙に気をつけなければならないことは、楓の世界なら、誰でも知っていることだ。

 煙には、一酸化炭素やシアン化化合物などの有毒ガスが含まれている。

 これを吸い続けてしまえば、頭痛、目眩、嘔吐の症状が起こり、体が徐々に動かなくなって死に至る。

 煙にはとても危険な有毒ガスが含まれているのだ。

 しかし、この世界の人たちはそのことを知らないらしい。

 煙に気を付けないで逃げようとしたので、楓が声をかけたのだ。


 そのおかげか、特にひどい症状は怒らず、無事に脱出することができた。


 その間15分ほど。

 その間も、ブラスは説得を試みていた。

 しかし、その願いは届かず、聖騎士たちに襲われていたのだ。


 「ブラス! 今助けてあげる!」


 クレハは、影の束縛魔法【シャドウ・リストリクションズ】を唱える。

 影が、聖騎士たちを束縛していき、その間にブラスは敵から離れた。


 正面には聖騎士。

 背後には燃え上がる【ライトワーク】の拠点だった屋敷。

 最悪な状況だと楓たちは思った。

 それでも、生きることを諦められない。

 楓たちは、聖騎士たちと戦うことを選んだ。


 「ブラス、あいつらと戦えるか」


 「ああ、問題ない。元仲間だとしてもだ。お前たちだって仲間なんだ。仲間を傷つけさせてたまるかぁ」


 「はは、お前ならそう言うと思ったよ」


 「私たちが援護するわ」


 「背後の日は私に任せろ」


 「ティオ、カノンを守りながら、弓矢で敵を攻撃してくれ」


 「わかったよ。お兄さん」


 「がう~がうがう」


 「はは、カノンも戦ってくれるのか。だが、大丈夫だ。俺たちは負けない」


 楓たちは、生き残るために、聖騎士たちに向かっていった。

読んでくださりありがとうございます。


【ライトワーク】拠点……燃やしちゃいました!

さて、楓たちは生き残れるのか!


次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ