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カオティックアーツ  作者: 日向 葵
第一章
25/74

25:勇気を持って誘ってみる!

本日も投稿しました。

本日もよろしくお願いします。

 それぞれの買い物が終わったあと、全員が合流して、【ライトワーク】の本拠地に帰宅しようと、歩いていた。


 ブラスとクレハは、帰り道に、楓のことをチラチラと見ていたことを、楓は知っていた。

 しかし、それ以上にショックなことがあったので、無視することにした。

 ティオと楓は「はぁ」とため息をつく。

 そのため息が気になったこともあり、勇気を振り絞って、楓に声をかけた。


 「買い物で一体何があったの? 落ち込んでいる」


 この時のクレハは、ものすごくドキドキしていた。

 なぜ、ドキドキしていたかは、買い物の時に、好きな人の話をしたため、楓を意識してしまっているからである。

 楓に声をかけたクレハを見たブラスは、「先を越された」と、小さく呟いた。


 しかし、楓とティオは無反応だった。

 それもその筈。

 落ち込んでいる理由が、ぽこりんだからだ。

 クレハに、「ぽこりんがまずかった」なんて話したら、鬼のように怒るだろうことは、目に見えている。

 だから、楓もティオも答えられなかった。


 「ちょっと楓?」


 「ごめん。話せないことなんだよ。クレハには……」


 「クレハ姉さん。本当にごめんなさい」


 「なんで、なんで私だけ?」


 「「本当にごめん」」


 「なんでなのよぉぉぉ」


 「だったら、俺には教えてくれるのか?」


 ここぞとばかりに、ブラスが出てきた。

 楓とティオは、縦に首をふる。

 ブラスは、ぽこりん大好きな人種ではない。

 だから、ブラスには話せると思ったのだ。


 そんな二人を見たクレハは、ちょっとショックを受けた。

 もしかして、私は嫌われているんじゃないか、クレハはそう思った。


 それからというもの、帰り道は暗い雰囲気だった。

 唯一明るかったのは、ブラスだけだった。



 【ライトワーク】帰宅後……


 楓の作業部屋のドアがノックされる。


 「ブラスだけど、入っていいか」


 「……ああ、いいぞ」


 「それじゃぁ……ふふ」


 楓は、一瞬ためらった。

 楓に告白してきた、あのブラスだ。

 二人っきりになるのは、危険だ。楓の直感が警告アラームを発していた。

 しかし、仲間を疑うなんてしたくない、そう思った楓は対策をした。

 万が一にも、ブラスが襲ってきたら、三日間ぐらい意識不明になるような罠を張った。

 今の楓がブラスに合うには、これぐらいしないと不安で仕方がなかった。


 部屋に入ってきたブラスは、【ディメンションリング】を机の上に置いた。


 「これ、すっごく便利だったぞ。強度も何もかも、問題ない。外部からダメージを受けた場合は、わからんがな」


 「ん、何だ。使用後の報告に来たのか?」


 「俺が何しに来たと思ったんだよ……」


 「それは……その……あれかな」


 「よくわからんから、まあいいや」


 楓はホッとした。

 ブラスが、告白関連について聞きに来たわけじゃないとわかったからだ。


 「それで、問題はなかったのか」


 「ああ、楓が貸してくれた【ディメンションリング】。すごく便利だったぞ」


 「ふむ、利便性は良かったと。強度とか重さとかはどうだ」


 「どんなに物を入れても、重さに変動がなかったぞ。強度については、なにもしていないから、わからないな」


 「そっか。わかった。また何かあったら言ってくれ」


 「ああ、わかった」


 「あと、楓!」


 ブラスの声に、楓はびっくりした。

 そして、どうやって話をそらすか考えた。

 手元には、今度実験しようとしていたカオティックアーツ【マジックボックス】というものを開発していた。


 効果は、高い保温性&保冷性を持っており、【ディメンションリング】と活用することで、どこでも、暖かいご飯や、冷たい飲み物が飲めるカオティックアーツである。


 「ブラス。今度は、【マジックボックス】もお願いできるか?」


 楓は、どこかの書物で読んだ【秘技:話外し】を実施してみた。

 どうにかして、告白から離れたかったからだ。


 「ああ、わかった。やっておくよ。それで楓。聞いて欲しいことがあるんだ」


 楓の秘技は、不発に終わった。

 次にどんな言葉が来ても、問題ないように、楓は覚悟を決めた。


 「今度、村で収穫祭があるんだ。そこで、俺も踊り子として踊ることになった」


 「……いろいろと突っ込みたいことがあるが、わかった」


 「ああ、それでな。俺の踊りを見てほしんだ。踊りが終わったあと、伝えたいことがある。よかったら、俺の踊りを見てくれないか」


 「……」


 楓は、返答に迷った。

 それもそうであろう。

 なんせ、男から、「俺の踊りを見て」と頼まれたのだ。

 それに、最後の「伝えたいことがある」という部分になにかが引っかかった。

 再び、楓の脳内で、警告アラームが発生する。

 楓から、タラっと汗が垂れる。


 「楓。お願いだ。心の友よ!」


 「ああ、考えておくよ」


 「ああ、今はそれでいい。よかったら来てくれ。俺のわがままを聞いてくれてありがとう。俺はそろそろ戻るよ」


 「わかった。夕飯になったら呼んでくれ」


 「今日は、楓が作らないのか?」


 「今日はティオが作るそうだ。だから、俺は作らん」


 「ティオの料理も美味しいからね。了解したよ。後で呼びにくる」


 「ああ、頼んだぞ」


 楓は、ブラスが出て行ったことを確認して、「はぁ」とため息をついった。

 そして、踊りを見に行くのは、返答したらいいのか、非常に迷った。




 楓とブラスの会話を、盗み聞きしているものがいた。

 それはクレハだ。

 ブラス同様、楓に【ディメンションリング】の報告と、踊りについて話に行こうと思っていた。

 しかし、今回も先を越されてしまっていた。


 それに、ブラスが、楓を踊りに誘っていることから、クレハはやばいと思った。


 仮に、楓が男好きの気配があったとしたら、間違いなくブラスを選ぶだろう。

 もし、もしそうなったら、とっても悲しいだろうな。クレハはそう思った。


 ブラスがいなくなったことを確認して、楓の作業部屋の扉をノックした。


 「ん、誰だ」


 「クレハだけど、今入っていい?」


 「ああ、問題ないぞ」


 「わかった、お邪魔します?」


 「別に、普通に入ればいいんだよ」


 クレハが緊張気味で、部屋に入ってくる姿を見て、「はは」と楓は笑ってしまった。

 ここは【ライトワーク】のリーダであるフレイが、楓のためにと用意してくれた作業部屋だ。

 ここには、楓が作成したカオティックアーツなどが保管してある。

 少し、ごちゃごちゃしているが、クレハはこの部屋が好きだった。

 知らないものがたくさんあり、好奇心が高鳴る、おもちゃ箱のだった。

 普段なら、楓の作ったカオティックアーツに、興奮気味になるのだが、今のクレハは、別のことで緊張していた。


 それは、楓を収穫祭にさそて、踊りを見てもらうこと。

 しかし、この時のクレハは緊張で、頭が真っ白になっていた。


 「【ディメンションリング】の性能はどうだった」


 「全然問題なかったよ。どんなにものを入れても、重さは変わらないし。最大収納量はわからなかったけど……」


 「そっか、不便なところはなかった?」


 「ふえ? う、うん。なかったよ」


 「ん? どうしたんだ、クレハ。顔が赤いぞ」


 「え、そんなこと……ないよ」


 次第に小さくなるクレハの声。

 楓は、体調が悪いのかと思い、心配した。

 この時、楓の脳裏にブラスの言葉が浮かんだ。


 収穫祭で踊りを見て欲しい。


 まさか、クレハもそんなことを、と一瞬思ったが、クレハならしないだろうと結論づけた。


 「ん、熱は……ないみたいだな」


 「ひゃぁ、なに……」


 「いや、お前の様子がおかしいなって思ったから」


 「お、おかしくないよ!」


 「いや、でも……」


 「お・か・し・く・な・い・の!」


 「ああ、わかったよ」


 余りにも強く言ってきたクレハを見て、問題なさそうだと思った楓は、自席に戻ろとする。


 「楓、聞いて欲しいことがあるんだけど……いいかな?」


 不意打ちだった。

 問題なさそうだから、クレハもすぐに部屋を出るだろうと、楓は思っていた。

 しかし、クレハから出てきた言葉は「聞いて欲しいことがある」だ。


 ここで、また収穫祭の踊りが脳裏に過ぎった。

 だが、クレハだし……という考えが抜けず、考えることを放棄した。

 どんなに頭がいい楓でも、人の感情は難しかったようだ……


 「なんだ、カオティックアーツの調整か?」


 「そうじゃなくて……収穫祭で私も踊るから見に来て欲しい!」


 「え」


 楓は、まさか的中していたとは、と驚愕した。

 クレハの緊張はどんどん高まって、顔も次第んい赤くなっていく。


 「へへへ、返事は後でいいから。じゃあ」


 緊張に耐え切れなかったのか、クレハは楓の作業部屋を飛び出していった。


 ちなみに、踊りを見てもらう意味を全く知らない楓は、誘ってくれたのに、無下にするのは悪いから、二人の踊りを見に行こうと考えていた。


 「後で詳細でも聞くか」


 そう呟いて、楓は作業に戻った。

読んでくださりありがとうございます。

ブックマークもありがとうございます。


さて、踊りを見に行くことを伝えた二人だが、踊りになんの意味があるのかわかっていない楓。

大事な事を伝えてないですが、言ってしまったら、告白しているのと同じですよね?


次回もよろしくお願いします。

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