21:全てを終えて
本日は投稿できました。
秋なので、とても眠いです……
本日もよろしくお願いします。
【インパクト・マークⅡ】衝撃により、山賊のお頭を見事に助け出すことができた。
触手と化した箇所は、維持するためのエネルギーがなくなったことによって、朽ちていく。
そして、残ったのが、山賊のお頭だった。
見たところ、外傷とかもなく、どうやら気絶しているだけらしい。
ただ、変わったところは、筋肉がやせ細り、弱々しい姿になっていた。
しかし、不安なのはこれからだ。
もし助けたとしても、二重に、聖呪痕が発動した場合、対処が難しくなる。
そうなった場合は、カノンの親と同じになってしまう。
楓も、そうなった場合を想定して、いくつか考えていたが、どれも不要となった。
そして、何事もなく、山賊のお頭が目を覚ました。
「お、俺は……」
「あなたは、おかしな武器のせいで、おかしくなっていたんです」
「俺が、俺がぁぁぁぁっぁっぁ」
「ちょっと、しっかりしてよ」
「グフ!」
発狂仕掛けた、山賊のお頭を、クレハがいきなりビンタした。
あのまま、発狂したら、何するかわからなかったため、助かったと思う楓だった。
しかし、山賊のお頭は、ビンタだけでは収まらず、逃走してしまった。
楓もクレハも、追いかけようとしたが、ブラスに止められた。
「一応問題はないんだろ。あとは、少し置いておいたほうがいい。自分の手で仲間を殺したんだ。おかしくならない方が不思議だ」
「たしかにな。俺も、仲間を殺してしまったら、今の自分でいられる自信がない」
「私も……そうね。おかしくなるわ」
そして、二人はブラスの言う通り、負うのをやめた。
新たな聖呪痕の発動は、クレハが感知しなかったため、問題ないと判断したことも、理由づけられる。
こうして、山賊関連の依頼を終えて、一息付いた。
やっと、終わったと。
いろいろ終わった帰り道にて……
「その、楓……」
「ブラス。助けてくれてありがとな」
「ああ、そんなことは当たり前だ。仲間だからな。それで、楓……」
「ん、どうした。ああ、そのカオティックアーツなら、やるよ。お前には必要だろう?」
「ああ、ありがとう。楓からもらったものだ。大切にするよ。それで、楓……」
なんか、話がかみ合わない状況に、クレハはちょっと、ドキドキしていた。
ブラスが一体なにを考えているのか、なんとなくわかるような気がする。
ブラスは、自分を気にかけてくれた楓にお礼がしたい。そう思っていると、クレハは考えている。
なのに、楓が、ずれたことをいうから、ブラスが頬を膨らます(クレハにはそう見える……)。
そして、ブラスはとんでもないことを言い出した。
「楓。好きだ!」
「「ぶふぅぅぅぅぅ」」
なんと、ブラスは楓に告白したのだ。
いや、本人は、仲間として好きであって、恋愛としては見ていない……と考えている。
しかし、今の言葉は、誰がどう見ても告白だった。
だから、ふたりは距離を取った……
「おおおお、お前。マジで言っているのか!」
「当たり前だろう。俺はいつだって大マジだ!」
「だ、ダメだよ。男同士なんて……」
「ば、何言ってるんだよ。クレハ!」
「だ、だって楓。このあとどうするの?」
「な、なにを……」
「告白の返事……」
「お前、絶対におもしろがっているだろう」
「へへ!」
楓は、大きく「はぁ」とため息を付く。
きっと、楓は、この告白を断るだろう。クレハはそう思っている。
思っているが、ブラスの元に向かう楓を見て、クレハは胸がチクリとするのを感じた。。
だからだろう。
クレハは、無意識にちょっかいをだしてしまった。
楓の手を、いきなり握ったのだ。
「どうしたんだよ。クレハ……」
「べ、別にいいでしょ! こうしないとブラスに取られちゃう……」
「? よくわからんが、そうはならないだろう。俺だって、普通でいたい」
「ちょっとまて、俺は普通だぞ。なぁ、楓。俺と目を合わせて、ちゃんと話してくれよ。寂しいだろう」
「うるさい。変態が!」
「お、俺は……」
楓はクレハの手を振りほどき、先に言ってしまった。
ゆっくり歩いているのは、ブラスとクレハのみ。
「ねぇ、聞いてもいい?」
「ん、何だ」
「さっきに、愛の告白って、本気なの」
「ぶふぅぅぅ……ゲフン、ゲフン」
ブラスがいきなり吹いた。
吹いてしまった。
吹いた瞬間が、愛の告白あたりなのに疑問を持ったクレハだった。
「俺は、恋愛とかじゃないくて、友として、好きだ。支えてくれてありがとう。そう言いたかったんだ」
「……それが、あれ?」
「自分の気持ちを率直に伝えたまでだ」
「で、いつ結婚するの? どうやって、楓を落とす…」
「ちょっと待て、俺は男好きってわけでは……ないはずだ」
「そこに疑問を持たないで欲しい」
「すまない。俺にも経験がないことなんだ」
「それも仕方ないかもね。でもね……」
「ん?」
「私は負けないよ!」
「ん、よくわからないが受けて立つ!」
実際は、クレハ自信も分かっていない。
ただ、なんとなく、楓の一番になりたかった。
多分、親友としてだ、と本人は思い込むようにした。
そして、二人は熱い握手を交わした。
「これからもよろしくね。ブラス。そして、私は負けないんだから」
「ああ、こちらこそよろしく。クレハ、俺も負けないぞ」
不敵な笑い声が響き渡る。
楓は、その声を聞いて、ゾッとした。
読んでいただき、ありがとうございました。
ブックマークもありがとうございます。
クレハにライバル出現!
その名も、ブラス!
クレハの恋の行方は如何に!
ごめんなさい。ちょっと変な方向にすすみました。
次回からは、シリアス抜けます。
ちょっとした日常編? です。
多分…………
次回もよろしくお願いします。




